売却向けコラム

3階建て住宅の売却が難しい理由とは?スムーズに売却するポイントもご紹介

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3階建ての住宅は、平屋や2階建ての住宅より売却しにくい傾向にあります。
そのため、3階建ての住宅を所有している方のなかには「売却に出しても売れ残ってしまうのでは?」と不安を抱いている方も多いでしょう。
そこで今回は、3階建て住宅の特徴や、売却が難しいと言われる理由、できるだけスムーズに売却するためのポイントをご紹介します。

3階建て住宅の特徴

3階建て住宅の特徴

まずは、3階建て住宅の特徴を3つの視点から解説します。

特徴①駅の近くや都心部に建てられている

日本の土地は、用途によって主に「工場系」「商業系」「住居系」の3種類に分けられており、それぞれ建設できる建物の種類や高さが決められています。
住居は基本的に住居系の地域へ建設されますが、住居系の土地は商業系の土地より建設できる建物の規模や高さの制限が厳しいです。
そのため、平屋や2階建てより高さのある3階建て住宅の多くは「商業系」の土地へ建設されます。
商業系の土地には駅やスーパーマーケットのように大規模かつ高層の建物も建設できるので、3階建ての住宅は、駅や都心部に多く建設されている傾向があります。

特徴②土地が狭くても延床面積が広い

3階建ての住宅を建設できる商業系の土地は、平屋や2階建ての住宅を主に建設する住宅系の土地より建ぺい率と容積率が高いため、延床面積も広い点が特徴です。
一般的に、商業系の建ぺい率は60~80%、容積率は100~1300%に設定されています。
一方、住居系の建ぺい率は30~80%、容積率は50~500%です。
この数値をもとに、もっとも厳しい制限を基準として、50m²の土地に建てられる住宅の広さを試算すると、以下のとおりです。

●商業系の建ぺい率:50m²×60%=30m²
●商業系の容積率:50m²×100%=50m²
●住居系の建ぺい率:50m²×30%=15m²
●住居系の容積率:50m²×50%=25m²


このように3階建ての住宅は、土地が狭くても2階建てや平屋より広い居住スペースを確保できる点が特徴です。

特徴③高さを活かした暮らしを実現できる

3階建ての住宅は、屋上に物干し場や子どもの遊び場を造るなどして、高さを活かした暮らしを実現できます。
3階建ての住宅は土地面積が狭いので、庭に物干し場や子どもが遊ぶスペースを確保できないケースが多く見られます。
しかし、屋上を造れば日当たりも良く広いスペースで洗濯物を干せたり、子どもを遊ばせたりすることが可能です。
また、星座観察が趣味の方であれば、屋上に天体望遠鏡を設置すると、周囲の建物に邪魔されず天体観測を楽しめます。

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3階建ての住宅が売却しにくいと言われる理由

3階建ての住宅が売却しにくいと言われる理由

3階建ての住宅は利便性が高い土地に建てられているだけでなく、狭い土地でも延床面積が広かったり、高さを活かした生活を実現できたりと、嬉しい特徴がいくつかあります。
ただし、以下3つの理由から3階建ての住宅は売却しにくいと言われています。

売却しにくい理由①上下の移動が大変

3階建ての住宅は生活をするうえで1階・2階・3階を行き来しなくてはなりません。
たとえば、1階が風呂と洗面所、2階がリビング、3階が寝室といった間取りの場合、1階で洗濯をしたあと、2階で洗濯物を干し、3階に服を運ぶ必要があります。
また、若い間は体力があるので上下の移動にさほど苦労しませんが、年齢を重ねていくと階段の上り下りは苦痛になりがちです。
以上の理由から、上下の移動が大変な3階建ての住宅は、買手が見つかりにくく売却しにくいと言われています。

売却しにくい理由②メンテナンス費用が高い

3階建ての住宅は建物の高さが高いので、外壁塗装や内装リフォームを実施する場合の足場建設費用が高くなりがちです。
さらに、3階建ての住宅はガス管や水道管、電気配線が上下に設置されるため、故障や取り替えをおこなう場合の工事費も高くなります。
一戸建ては定期的なメンテナンスが必要なので、そのたびに高額な費用がかかる3階建ては買手から好まれず、売却が難しいとされています。

売却しにくい理由③購入を希望するターゲットが少ない

一戸建ての購入を検討している方の多くは、平屋または2階建ての住宅をメインに探しています。
そのため、3階建ての住宅は、希望エリアに平屋や2階建ての住宅がなかった方が仕方なく購入するケースが多く見られます。
また、3階建ての住宅は上下の移動が大変なので、高齢者世帯や高齢者と同居したい方、体が不自由な方への売却は難しいでしょう。
このような理由から、3階建て住宅を希望するターゲットは少ないため、売却が難しいと言われています。

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3階建ての住宅をスムーズに売却するポイント

3階建ての住宅をスムーズに売却するポイント

3階建ての住宅は、上下移動の大変さやメンテナンス費用の高さ、および購入を希望するターゲットが少ない理由から売却が難しいと言われています。
しかし、以下3つのポイントを意識すると、3階建ての住宅もスムーズに売却しやすくなります。
3階建ての住宅を売却したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ポイント①ホームエレベーターを設置する

3階建て住宅をスムーズに売却したい場合は、上下移動の大変さを解消するためにホームエレベーターを設置するのがポイントです。
ホームエレベーターは一定のスペースがあれば後付けできるので、工務店やハウスメーカーなどに設置を依頼してみましょう。
ホームエレベーターがあれば、3階建て住宅の購入ターゲットから外れやすい高齢者世帯や高齢者と同居したい方も購入を検討しやすくなります。
ターゲット層が増えれば売却しやすくなるので、ホームエレベーターがない場合は設置を検討してみましょう。

ポイント②耐震診断を実施する

3階建ての住宅を少しでもスムーズに売却したい場合は、建築士や土地家屋調査士に耐震診断を依頼するのがポイントです。
人は高い建物ほど揺れやすく、地震が起きた場合に倒壊しやすいイメージを持っています。
3階建ての住宅は耐震基準を満たして建設されているので耐震性に問題はありませんが、悪いイメージがあると売却は難しいです。
建物や地盤に問題ないと証明できれば買手の不安を払拭できるので、3階建ての住宅をスムーズに売却したい場合は、事前に耐震診断を実施しておきましょう。

ポイント③事業用物件として売り出す

3階建ての住宅は、住居用だけでなく事業用物件としても売り出すと、購入のターゲット層が広がり売却につながる可能性が高まります。
3階建て住宅は駅から近い場所や商業施設の近くに建てられているケースが多いので、事業用物件としての需要は高いです。
事業用物件として売り出せば、建物を民泊や店舗、介護施設など、さまざまな用途で使用できます。
十分な駐車スペースがある3階建て住宅であれば、さらに事業用物件としての需要が高まるため、売却に出す場合は住居用と事業用の両方で出してみましょう。
ちなみに、敷地内へ十分な駐車スペースがない物件でも、近くにコインパーキングや月極駐車場があれば、購入者が見つかりやすいでしょう。

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まとめ

3階建ての住宅は土地の利便性が良いだけでなく、土地が狭くても延床面積が広く、高さを活かした生活を実現できる点が特徴です。
ただし、上下移動が大変な点やメンテナンス費用が高額になりやすい点、ターゲット層が少ない点から売却が難しいと言われています。
そのため、3階建ての住宅は事業用として売り出したり、売却前にホームエレベーターを設置したり、耐震診断を実施したりと、さまざまな工夫をおこなうのがポイントです。


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