売却向けコラム

不動産売却のタイミングは市況から見るとどうなる?税金と季節からも解説!

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不動産売却にあたっては、売主側に有利なタイミングをしっかり見極めたいところでしょう。
しかし、いつが良いタイミングといえるかは、基準とする条件によって変わるため注意が必要です。
そこで今回は、不動産売却のタイミングはいつが良いかを、主な基準である市況と税金、季節からそれぞれ解説します。

市況から見た不動産売却のタイミング

市況から見た不動産売却のタイミング

市況とは、市場における不動産取引の状況を指します。
市況において主な基準となるのは、不動産の相場と住宅ローンの金利です。
それぞれのポイントを、不動産の相場から順に解説します。

不動産の相場に関する基本

不動産の相場は一定ではなく、景気や社会情勢などそのときどきの状況によって変わるものです。
不動産の相場を調べるうえでは、不動産価格指数が良い参考となります。
不動産価格指数とは、不動産の取引価格をもとに、国土交通省が公表している指標です。
2010年の相場を100としたとき、各年の相場がいくらとなるのかが表示されているため、価格の推移を効率良く把握できます。

相場をもとにした不動産売却の判断

市況において不動産の相場が下がり続けているときは、売却を急ぎたいところです。
売却のタイミングが遅れると、ますます価格が下がってしまう可能性があるため、少しでも早く売ったほうがお得になることも。
一方、相場が右肩上がりの時期には、売却のタイミングは慎重に見定める必要があります。
少し待てばさらに相場が上がり、より高値で売れる可能性があるからです。
相場が横ばいのときは、いつ売っても価格はあまり変わらないため、タイミングをそこまで気にする必要はないと考えられます。
以上が基本的な判断ですが、相場が今後も同じように推移する保証はありません。
相場の上昇・下落の傾向が変わる可能性をふまえ、売却のタイミングを決めることが大事です。

住宅ローンの金利

市況に関して住宅ローンの金利を基準とするときは、低金利の時期が売主に有利です。
買主からすると、住宅ローンの金利が下がっている時期のほうが、借り入れの負担が軽くなります。
それだけ購入のハードルが下がり、不動産が売れやすくなると考えられます。
ほかのタイミングより良い条件で売れたり、早期に買主が決まったりする可能性があるため、住宅ローンの金利は意識しておきましょう。
なお、日本国内では、長きにわたって低金利の状況が続いていました。
しかし、近年では金利に上昇の動きが出てきているため、不動産売却への影響に注意が必要です。

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税金から見た不動産売却のタイミング

税金から見た不動産売却のタイミング

不動産売却のタイミングは、税金を基準に判断されることがあります。
税金に関して押さえたいポイントは、以下のとおりです。

不動産売却でかかる税金の基本

不動産売却で譲渡所得を得ると、売主には所得税と住民税が別途課せられます。
譲渡所得とは、不動産売却で得た利益にあたり、以下の式で計算できます。
譲渡所得=売却価格-(不動産の取得費+売却の経費)
不動産の取得費とは、購入当時に支払っている代金や手数料、納めた登録免許税などです。
売却の経費には、仲介の依頼先に支払った仲介手数料や、売却手続きのなかで負担した印紙税などが該当します。
計算結果が黒字だったときは、譲渡所得を得た形になっており、所得税と住民税が別途で課せられます。
両税金は、譲渡所得税と呼ばれるのが一般的です。

不動産売却のタイミング

税金が不動産売却のタイミングを決める基準になるのは、売却した不動産の所有期間に応じて、譲渡所得税の税率が変わるからです。
所有期間が5年以下のとき、税率は所得税で30%、住民税で9%です。
一方、所有期間が5年超えになると、税率は所得税で15%、住民税で5%となります。
所有期間が5年を超えるかどうかで、税率には倍近い差が生じます。
譲渡所得税の税率だけで単純に考えるなら、所有期間が5年を超えるタイミングを待ったほうが有利です。
なお、譲渡所得税の税率を決めるときの所有期間は、不動産売却をおこなった年の1月1日時点で判断されます。
実際の所有期間が5年を超えていても、基準日の時点では5年未満になっていると、高いほうの税率を適用されてしまうため注意が必要です。

特例を使うときのタイミング

譲渡所得税は、税制上の特例で抑えられることがあります。
主な特例のひとつにあたるのが、マイホームにおける3,000万円の特別控除です。
本特例が適用されると、先述の式で計算した譲渡所得から3,000万円を控除できます。
譲渡所得が3,000万円以下だったときは、特例の適用によって課税対象額がなくなり、譲渡所得税が非課税となる計算です。
そもそも税金がかからないなら、不動産の所有期間をあまり気にせず、売主に都合の良いタイミングで売却できます。
ただし、マイホームにおける3,000万円の特別控除は、適用期限が生じることがあります。
気を付けたいのは、マイホームがすでに空き家となっているときです。
このときは、空き家になって3年が経過する年の12月31日までに、売却を終える必要があります。

軽減税率の特例を使うケース

マイホームの売却では、軽減税率の特例を使える可能性があります。
軽減税率の特例が適用されると、譲渡所得のうち6,000万円までの部分で税率が下がり、所得税では10%、住民税では4%となります。
本特例が適用されるには、マイホームの所有期間が10年を超えていなくてはなりません。
マイホームの所有期間が10年に近付いているタイミングでは、10年超えになるのを待って売り出したほうがお得だといえます。

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季節から見た不動産売却のタイミング

季節から見た不動産売却のタイミング

不動産売却において、季節は大事な条件のひとつです。
良いタイミングで不動産売却をおこなうためにも、季節の影響はしっかり押さえておきましょう。

売主に有利な季節

不動産売却において、売主に有利な季節は3月だといえます。
根拠は、不動産売却における成約件数をまとめた過去のデータにあります。
成約件数を1か月単位で見たとき、ほかの季節より件数が多いのは3月でした。
3月に成約件数が増える理由は、4月以降の転勤や進学に向け、多くの方が新居を探している点にあると考えられます。
この時期の買主には、新生活が始まるまでに住み替えを終えようとしている方がいるため、3月は売主に有利なタイミングだといえます。
季節を基準にするときは、3月に合わせることを基本としましょう。

3月に合わせて不動産売却をおこなうコツ

不動産売却にあたっては、不動産会社に仲介を依頼するのが基本です。
売却活動を始めるまでに多少の手続きがあるため、タイミングを3月に合わせたいときは、余裕をもって動き出しておくほうが安心です。
前年の12月中には不動産売却の意思を固め、仲介の依頼まで終えておきましょう。
新年になってからすぐに売却活動が始まれば、売主に有利なタイミングにうまく合わせられます。

売主に有利なほかの季節

3月以外で売主に比較的有利なのは、9月です。
9月には暑さが和らいで過ごしやすくなり、買主が不動産購入に向けて動き出すと考えられるからです。
不動産売却を急いでおり、3月まで待てないときは、9月に合わせることを検討してみましょう。

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まとめ

不動産売却のタイミングを市況から見れば、相場や住宅ローンの金利が基準となり、前者では価格の上昇・下落の傾向に合わせて有利なタイミングを判断します。
税金からタイミングを考えるなら、所有期間が5年を超え、譲渡所得税の税率が下がるときが有利ですが、税制上の特例を使うならこの限りではありません。
季節からいえば、不動産の成約件数が増える3月に合わせたいところですが、9月も比較的おすすめです。


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