水路に面している土地の売却方法とは?デメリットや売却時の注意点も解説!
近年は、大雨や台風による浸水被害の報道をよく見るため「水路に面している土地は売れるだろうか」と心配になりますよね。
そこで今回は、水路に面している土地のデメリットやスムーズに売却する方法、売却時の注意点を解説します。
水路に面している土地の売却を検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
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売却前に気になる!水路に面している土地のデメリットとは?
水路に面している土地の売却にあたり、どんな特徴やデメリットがあるのか、事前に理解しておくことは大切です。
水路に面する土地の主なデメリットは、以下の3つです。
①建築不可のデメリット
水路に面している土地では、建物を建てるときに建築許可が下りないことがあります。
水路に面している土地は、接道義務を満たしていないことが多いからです。
接道義務とは、建築基準法で定められた「土地に建物を建てるときは、幅員4m以上の道路に2m以上接していること」とする決まりのことです。
接道義務を満たしていないことによって建築不可となっている場合は、土地の用途が限られるため、売却がむずかしくなります。
ただし、地域によっては特例がある場合もあるので、具体的な事例に応じた対応を自治体の道路管理課で確認すると良いでしょう。
②軟弱地盤のデメリット
水路に面している土地は、水分を多く含むため、地盤が軟弱であることが多いです。
軟弱地盤だと、建物を建てる際に地盤補強工事が必要となり、工事費用がかかります。
購入後に工事費用が発生することは買主にとって不利益につながるため、軟弱地盤は売却時にデメリットになります。
また、水路を埋め立てた「水路跡」も要注意です。
水路跡は、地下に水路が埋まっているため地盤が弱く、深く掘ると水が湧き出てくることがあります。
③浸水被害に遭いやすいデメリット
水路が近いと、台風や豪雨時に氾濫被害に遭う可能性があります。
悪天候によっても上流から水が勢いよく流れてくることがあるため、常に天気や河川の状態に注意が必要です。
とくに近年は、巨大台風やゲリラ豪雨が頻発しており、河川や水路近くの土地が敬遠されることも多いです。
水路に面している土地は、上記のようなデメリットにより売却が難しい場合があります。
そのため、売却時にはデメリットを明確にし、対応策を打つことによって、売却を成功に導きます。
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水路に面している土地をスムーズに売却する方法とは?
水路に面している土地は、前章で述べたとおりデメリットがあるため、売却が難しい傾向にあります。
しかし、適切な販売戦略と準備によってスムーズに売却することも可能です。
水路に面している土地を売却する方法は、以下のとおりです。
①居住用以外の土地として売却する方法
水路に面している土地は、浸水被害のリスクや地盤補強工事が必要になるデメリットを考えると、居住用には向いていません。
そのため、駐車場や倉庫、物置小屋などに用いる土地として売却するのがおすすめです。
近隣に田んぼや畑がある場合は、田畑として売却するのも良いでしょう。
このように、居住用以外の用途に使える土地として売り出せば、水路に面していてもデメリットが少なく感じられる効果があります。
ただし、居住用以外に使用する土地は建物の建築をしない前提で土地を探している買主に限られるため、需要が少ないです。
売り出してもなかなか買主が現れない場合は、売り出し価格を下げるなどの価格調整も必要になるかもしれません。
居住用以外の土地として売却すると、建築不可や軟弱地盤の土地でも売れる可能性がありますが、売却に時間がかかる可能性があることもご留意ください。
②占用許可を取得して売却する方法
建築基準法の接道義務を満たしていない土地の場合は、水路に橋をかけることによって、建物の建築が可能になり、居住用の土地として売却することができます。
ただし、水路に橋をかけるには、占用許可の申請が必要です。
占用許可の申請は、水路を管理する自治体に対しておこないます。
自治体によっては占用料が発生することもあるため、まずは管轄の自治体に確認しましょう。
占用許可申請の際に必要となる主な書類は、以下のとおりです。
●公共物占用許可申請書
●位置図
●公図
●平面図
●誓約書・同意書・承諾書など
必要書類は、自治体によって異なる場合もあるため、事前に確認しましょう。
占用許可を取得した後は、水路に橋を建設します。
土地と道路の間にある水路に架ける橋は、道路に2m以上接する必要があります。
水路に橋を架ける際は、事前に土地の建築条件も確認しておきましょう。
せっかく橋を架けて接道義務を満たしても、容積率や建ぺい率、用途地域の制限など、そのほかの建築規制があった場合は、橋を架ける工事が水の泡になる可能性があるからです。
水路に橋を設置する費用は、コンクリート板を乗せるだけであれば5万円ほどで済みますが、コンクリート板に杭を打つ場合は約30万円かかります。
水路に橋を架ける工事費用が無駄にならないように、事前に土地に関する建築条件もしっかりと確認しておきましょう。
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水路に面している土地を売却するときの注意点とは?
水路に面している土地を売却する際の主な注意点は、以下の3点です。
注意点①占用許可の承継可否
占用許可とは、特定の公共の場所を私的に利用するための許可を意味します。
前章でも述べたように、土地が公共の水路に面している場合、水路に橋を架けるには占用許可の申請が必要不可欠です。
そして、土地を新しい所有者に売却した後でも、この占用許可は必要です。
したがって、売却後も買主が問題なく土地を利用できるよう、占用許可を承継する必要があります。
買主に占用許可を承継しなかった場合、買主は自治体からの警告や罰金などのペナルティが科される可能性があります。
そのため、占用許可を取得する際は、買主に引継ぎ可能か事前に自治体に確認することが大切です。
注意点②告知義務を果たす
不動産売買において、売主は不動産に関する重要な事実を買主に隠してはいけません。
不動産に関する重要な事実を買主に伝える義務は「告知義務」と呼ばれ、違反すると法的責任を問われる可能性があります。
水路に面している土地の場合、地盤の弱さや建築不可能な区域などは、購入者が売却を決定する上でとても重要な情報です。
そのため、上記の情報は告知義務に該当し、買主に伝えなかった場合、後から「契約不適合責任」を問われる可能性があります。
契約不適合責任とは、売買契約において、取引した物の品質等が契約内容と一致しなかった場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。
契約不適合責任に問われた場合、買主から損害賠償や契約の解除を求められる可能性があるため、ご注意ください。
注意点③売却価格が下がりやすい
市場経済の原則として、リスクが高い商品やサービスは、そのリスクを補完するための価格割引が期待されます。
水路に面している土地においても、氾濫の恐れや地盤の弱さなどのリスクがあるため、そのリスクを考慮した売却価格が求められます。
そのため、水路に面した土地を売り出す際は、リスクを明確に理解し、そのデメリット分を反映した価格設定をすることが重要です。
また、買主から値下げを要求されることが予想されるため、あらかじめどの程度までの価格交渉に応じるか、またその理由を明確にしておくと、スムーズな交渉が期待できます。
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まとめ
水路に面している土地は、建築不可や軟弱地盤、浸水被害に遭いやすいなどのデメリットがあります。
そのため、居住用以外の土地として売却したり、占用許可を取得して水路に橋を架けたりなどの売却方法がおすすめです。
ただし、占用許可を買主に承継できるかや告知義務、売却価格が下がりやすい点にご注意ください。
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