任意売却に税金はかかる?譲渡所得税や税金滞納時の任意売却について解説

任意売却を検討するときは「税金が発生するのか」や「どのような税金がかかるのか」が気になりますよね。
そこで今回は、任意売却の際に発生する可能性のある税金や譲渡所得税が発生するケース、税金を滞納している場合の対応について解説します。
任意売却をお考えの方には、とくに参考にしていただければ幸いです。
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任意売却でかかる税金とは?
任意売却とは、住宅ローンの支払いが滞った不動産所有者が、債権者である金融機関の許可を得て不動産を売却することです。
任意売却で得られた現金は、主に住宅ローンの返済に充てられます。
そして通常の不動産売却と同様に、任意売却にも一定の税金がかかります。
任意売却にかかる税金の種類
では、任意売却にはどのような税金がかかるのでしょうか?
主に以下のようなものがあります。
●譲渡所得税
●印紙税
●登録免許税
譲渡所得税とは、所得税、復興特別所得税、住民税の総称です。
不動産を売却して利益が出た場合、確定申告をして譲渡所得税を納める義務があります。
ただし、譲渡所得税には税金を軽減する特例もあるため、次章で詳しく説明します。
印紙税は、印紙税法に基づいて文書を作成する際に適用される税金です。
不動産売買契約書にも適用され、契約書に収入印紙を貼ることで納税します。
税額は契約金額に比例するため、売却価格が高いほど印紙税も高いです。
登録免許税は、法務局が管理する不動産登記簿の変更・設定などの申請をする際にかかる税金です。
住宅を任意売却し、住宅ローンを完済した場合は、抵当権設定登記を抹消する必要があり、1件につき1,000円の登録免許税がかかります。
土地と建物を売却した場合は、それぞれに登録免許税がかかります。
抵当権設定登記とは、住宅ローンを契約した際に、借り入れ先金融機関を権利者として、担保となる不動産に設定する登記です。
通常、第三者に不動産を売却するときは、抵当権設定登記を抹消しないと売却できません。
任意売却にかかる消費税
消費税については、不動産の所有者により適用が異なります。
事業者が任意売却した場合は、売却代金に消費税がかかります。
ただし、土地と建物を売却した場合は、原則土地には消費税がかかりません。
個人が所有者の場合、その不動産が賃貸などで収入を得ていない限り、消費税はかかりません。
一方で、不動産会社に支払う仲介手数料には消費税がかかります。
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任意売却に譲渡所得税は必ずかかる?
前章で述べたとおり、不動産を売却して利益が出た場合、利益に対して譲渡所得税がかかります。
では、任意売却の際に譲渡所得税は必ずかかるのでしょうか?
譲渡所得税は譲渡所得(売却益)に課されるため、任意売却で利益が出なかった場合はかかりません。
譲渡所得とは
譲渡所得とは、不動産の売却価格から、購入した当初の費用と売却にかかった費用を差し引いたものです。
譲渡所得の計算式は、以下のとおりです。
譲渡所得=売却価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
取得費は、不動産の購入代金や不動産取得税など、不動産を取得したときにかかった費用です。
譲渡費用は、売却したときにかかった仲介手数料や印紙税などが該当します。
特別控除額は「マイホームを売却したときの3,000万円の特別控除」など、一定の要件に当てはまる場合に適用される税金の特例のことです。
任意売却をおこなった際に、上記計算で譲渡所得が発生しなかった場合は、譲渡所得税はかかりません。
譲渡所得税が発生しない事例
任意売却では、譲渡所得税がかからないケースが多いです。
任意売却をおこなうときは、住宅ローンを滞納し、返済が差し迫っている状態のため「希望価格で売却できるまで待つ」などの余裕はありません。
基本的には売却するときの相場に近い価格で売却することになり、新しい物件や人気の物件でもない限り、売却利益が出ることは少ないです。
また、先述のとおり、マイホームを売却する場合、譲渡所得から3,000万円まで控除できる特例があります。
そのため、特例が適用されると、譲渡所得が3,000万円以下なら税金はかかりません。
さらに、経済的に困窮しており、任意売却をおこなっても債務を返済できないような場合には「強制換価等の特例」により、特定の所得税を払わなくて済む場合もあります。
つまり、譲渡所得税は任意売却にも適用されますが、特別控除や特例などで課税されないことが多いです。
譲渡所得税が発生する事例
まれに任意売却の際に譲渡所得税を支払わなければならない場合があります。
たとえば、相続や書類の紛失などで不動産を取得したときの費用がわからない場合は、譲渡所得税が発生するケースが多いです。
取得費が不明な場合、売却価額の5%相当額を取得費として譲渡所得を計算します。
そのため、実際よりも譲渡所得が発生する可能性があるからです。
また、売却代金で住宅ローンを完済できる場合も「強制換価等の特例」が適用されないため、譲渡所得税が発生することが多いです。
3,000万円の特別控除はマイホームを売却する場合に適用されます。
マイホーム以外の不動産を売却する場合は3,000万円の特別控除が使えないため、譲渡所得税を支払わなければならない可能性があります。
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税金を滞納している場合でも任意売却できる?
固定資産税や住民税などの税金を滞納していても任意売却はできるのか心配な方もいらっしゃるでしょう。
税金を滞納していても任意売却は可能ですが、いくつかの注意点があります。
差し押さえされている場合
税金の滞納額が高額になると、行政処分により不動産が差し押さえられることがあります。
その場合、差し押さえを解除しなければ任意売却はできません。
差し押さえを解除するには、行政と交渉する必要があります。
不動産の任意売却で得られた資金を滞納している税金に充てることができるのであれば、差し押さえを解除してもらえる可能性が高いでしょう。
任意売却が認められない場合
任意売却で得た資金で滞納している税金や借金を清算することができれば、経済状況の改善にもつながります。
しかし、滞納している税金以外にも高額な債務があるなど、任意売却をおこなっても返済しきれないケースもあります。
そのような場合、任意売却で自宅を失うと経済状況がさらに悪化する可能性が高いです。
そのため、任意売却が認められないケースが多いです。
また、滞納している税金について役所との連絡を避けている場合も、任意売却が認められない可能性があります。
したがって、住宅ローンや税金の滞納があるときは、早めに金融機関や行政に相談し、売却を検討しましょう。
自己破産を検討している場合
住宅ローンや税金の支払いが困難な場合、自己破産を検討する方もいらっしゃるでしょう。
しかし、自己破産をおこなっても、税金の支払い義務はなくなりません。
そのため、自己破産を検討する前に、まずは不動産会社や借り入れ先の金融機関に相談し、任意売却をご検討ください。
任意売却が上手くいけば、滞納している税金の支払いも売却代金から捻出可能なケースもあるからです。
任意売却で得たお金は通常、住宅ローンの返済に充てられます。
しかし、債権者である金融機関との交渉次第では、滞納している税金の支払いに充てることも可能です。
任意売却後も住宅ローンの残高がある場合は返済を続ける必要があるため、金融機関としても債務者が滞納している税金を清算し、経済的に再建することを望んでいます。
つまり、残っている住宅ローンと滞納している税金をどのように返済するか計画を立てる必要があります。
返済計画については、借り入れ先の金融機関に相談し、交渉しましょう。
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まとめ
任意売却をおこなった場合も、通常の不動産売却と同じように税金がかかります。
ただし、売却利益に課される譲渡所得税については、3,000万円の特別控除や強制換価等の特例により、かからないことが多いです。
固定資産税などの税金も滞納している場合は、早めに不動産会社や金融機関に任意売却を相談しましょう。
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