相続人がいない土地の手続について!国庫帰属の流れも解説
将来、ご自身が所有している土地を受け継いでくれる相続人がいないとお悩みではありませんか。
具体的な対策をせずにそのまま放置してしまうと、土地が荒廃して近隣トラブルを引き起こすだけでなく、残された財産の処分に関する手続きが複雑化してしまうリスクがあります。
本記事では、本当に相続人がいないかを見極める方法や、土地が国庫へ帰属するまでのプロセス、さらに生前に対処するための方法について解説します。
ご自身の不動産を適切に整理し、将来に対する漠然とした不安を解消したいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。
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相続人がいない土地なのかを調べる手順

相続人がいない土地の対応を考える際、調べるべきことには主に、法定相続人の有無や不在の要件確認などがあります。
まずは、本当に相続人がいないかを見極める調査手順について解説していきます。
戸籍謄本で相続人確認
死亡後の相続手続きを進めるには、亡くなった方の出生から死亡まで連続する戸籍謄本をそろえ、法定相続人を漏れなく確認する必要があります。
まず本籍地の市区町村へ請求し、転籍歴がある場合は以前の本籍地もたどって、除籍謄本や改製原戸籍まで順番に取得すると良いでしょう。
また、戸籍を時系列で読み解くことで、前婚の子や認知した子、養子縁組による親子関係なども把握しやすくなります。
配偶者の有無を確認したうえで、子や孫、父母や祖父母、兄弟姉妹や甥・姪へと、民法上の相続順位に沿って調査することが重要です。
さらに、子が先に亡くなっている場合の代襲相続や、兄弟姉妹に代わる甥・姪の存在まで確認しておくと、相続人の見落としを防げるでしょう。
家裁での不存在確認
相続人がいない状態とは、法律上の相続権を持つ方が存在しない場合や、すべての相続人が相続放棄をした場合を指します。
ただし、親族と連絡が取れないだけでは相続人不存在とはいえないため、戸籍と相続放棄の状況を丁寧に確認しなければなりません。
そのうえで、必要に応じて利害関係人や検察官が家庭裁判所へ相続財産清算人の選任を申し立てる流れです。
清算人が選ばれると、清算人が遺産の管理や債務の整理を進める一方、家庭裁判所は官報公告などを通じて相続人がいないかを確認していきます。
そして、所定の公告期間を経ても相続人が現れなければ、法的に不存在が確定し、残った財産の清算や処分へ進むことになるでしょう。
専門家へ依頼する利点
戸籍の収集や親族関係の調査を専門家へ依頼すると、古い戸籍の読み取りや複数の役所とのやり取りを任せられる点が大きな利点です。
たとえば行政書士へ戸籍調査を依頼する場合、案件によって異なるものの、費用は5万円から10万円程度が一つの目安となるでしょう。
一方、家庭裁判所へ提出する書類の作成まで必要であれば、司法書士へ相談すると調査から申立準備まで進めやすくなります。
ただし、行政書士は裁判所提出書類の作成を扱えないため、依頼前に業務範囲や費用の内訳を確認しておくことが大切です。
また、司法書士への書類作成費用は10万円から15万円程度が目安となる場合があり、実費も含めた総額を書面で確認すると安心でしょう。
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相続人がいない土地はどうなる?

前章では相続人の有無を調べる手順について述べましたが、実際に相続人がいなかった場合、その土地がどうなるのか気になるところです。
ここでは、土地が最終的に国庫へ帰属するまでの流れについて解説します。
国庫帰属の仕組みと法
相続人がいない土地でも、所有者が亡くなった時点で、自動的に国のものへ切り替わるわけではありません。
まずは、相続財産清算人が遺産を管理し、債権者への支払いや遺言による遺贈などを整理したうえで、残った財産の行き先を決めていく流れです。
また、生計を共にしていた方や介護などで特別な関係があった方は、一定の期間内に家庭裁判所へ特別縁故者として財産分与を申し立てられる場合があります。
ただし、長年世話をしていたという事情だけで自動的に受け取れるわけではなく、関係性を示す資料をもとに裁判所の判断が必要です。
その後、債務の支払いや財産分与を終えても残った土地は原則として国庫帰属の対象となり、清算人が国への引渡しを進める流れとなります。
申立手続きと必要書類
相続財産清算人の選任は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てることから始まります。
申立書にくわえ、出生から死亡までの戸籍類や住民票の除票、必要に応じて先に亡くなった相続予定者の戸籍も準備すると良いでしょう。
さらに、土地などの財産目録や不動産登記事項証明書をそろえ、未登記の不動産については固定資産評価証明書を準備して、財産の内容がわかる状態にして提出します。
利害関係人が申し立てる場合は、その関係を示す資料も必要となるため、収入印紙や郵便切手などの実費とあわせて確認しておくことが大切です。
また、遺産だけでは清算人の報酬などを賄えないときは、予納金が必要になる場合があるため、金額を事前に裁判所へ確認すると安心でしょう。
放置に伴う各種懸念点
相続人がいない場合でも、土地や建物が自動的に管理されるわけではないため、清算手続きと並行して現地の状態を確認することが大切です。
また、相続放棄をした方でも、放棄時にその不動産を現に占有していた場合は、清算人などへ引き渡すまで保存義務が残ることがあります。
草木の越境や土砂の崩れ、建物の劣化などで近隣へ被害が及ぶと、損害賠償や修繕対応が必要になる可能性も否定できません。
固定資産税についても、相続放棄の状況や管理関係によって扱いを確認する必要があるため、市区町村へ早めに相談すると良いでしょう。
さらに、建物の管理状況によっては住宅用地の特例が外れることもあるため、税負担や行政対応を含めて適切な管理を続けることが重要です。
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相続人不在の土地を生前に手放す方法

ここまで相続人がいない土地の最終的な処分について解説しましたが、生前に対策しておくべき選択肢もおさえておきましょう。
最後に、土地を事前に手放すための方法について、解説していきます。
生前売却での現金化
生前に土地を売却するなら、まず不動産会社へ査定を依頼して相場を把握し、売却時期や希望条件に合わせて仲介か買取かを選びます。
仲介は市場で買主を探す方法で価格を重視しやすい一方、買取は不動産会社が直接購入するため、早期の現金化につながりやすいでしょう。
ただし、買取価格は早く確実に売却できる分、市場価格より低くなる傾向があるため、手取り額とのバランスを確認することが大切です。
また、境界が不明確な土地では測量が必要になる場合もあり、費用や期間を見込んで早めに準備しておくと取引を進めやすくなります。
さらに、隣地所有者への案内や空き家・空き地バンクの活用、譲渡所得にかかる税金まで不動産会社や専門家へ相談すると安心です。
遺言書で受遺者を指定
相続人がいない土地でも、生前に遺言書を作成しておけば、個人や団体を受遺者として指定し、土地を引き継いでもらえます。
遺言書には、受遺者を特定できる情報とともに、土地の所在や地番などを正確に記載し、対象不動産が明確になるよう整えておきましょう。
自筆証書遺言を利用する場合は、方式に沿って本文や日付、氏名などを記載し、法務局の保管制度を使えば検認が不要になるメリットがあります。
一方、公正証書遺言は公証人が関与して作成するため、形式面の不備を避けやすい反面、証人や手数料の準備が必要です。
また、司法書士などを遺言執行者に指定しておけば、死亡後の名義変更や受遺者への引渡しを進めやすくなり、手続きの負担を抑えられるでしょう。
自治体等への寄付条件
自治体への土地の寄付は、公園や道路など公共目的で活用できることが基本となるため、必ず受け入れてもらえるわけではありません。
そのため、境界が明確か、土壌汚染や担保権などの問題がないかを事前に確認し、自治体が管理しやすい状態かを整理することが重要です。
まずは土地のある市区町村の財産管理担当へ相談し、難しい場合は、土地の用途に合う公益法人などへ可能性を尋ねると良いでしょう。
また、個人が国や自治体へ土地を寄付した場合は、税務上の取り扱いがあるため、事前に内容を確認しておくと安心です。
さらに、公益法人などへの寄付では所定の要件を満たす必要があるため、受け入れ先や税理士へ相談し、税負担を含めて判断すると良いでしょう。
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まとめ
相続人の有無を調べるためには、すべての戸籍謄本を取り寄せて確認し、家庭裁判所での手続きや専門家への依頼を検討することが重要です。
相続人が不在の土地は自動的に国のものにはならず、適切な維持管理を続けながら家庭裁判所へ申し立てをおこない、清算手続きを経て残った財産が原則として国庫へ帰属します。
将来的な土地の放置を防ぐためには、生前に不動産会社へ売却して現金化し、遺言書による譲渡や自治体などへの寄付を進めておくと良いでしょう。
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