不動産の遺贈と相続の違いは?税金や登記についても解説
不動産の相続や財産の引き継ぎについて調べるなかで、「遺贈」という言葉を見かけ、通常の相続とどのような違いがあるのかと疑問を抱いていませんか。
遺贈の仕組みや手続きの方法を正しく理解したうえで準備を進めなければ、後々になって親族間で思わぬトラブルが生じたり、税負担が重くなったりするリスクがあります。
本記事では、遺贈に関する基礎知識や包括遺贈と特定遺贈の違いをはじめ、不動産に関する相続手続きの注意点や税率の仕組みについて解説します。
将来的に大切な不動産を、ご自身の希望通りに迷わずスムーズに引き継ぎたいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。
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遺贈とは?

不動産を引き継ぐ方法には主に相続と遺贈がありますが、最初にその基本を押さえる必要があります。
それでは、遺贈の定義や相続との違い、遺言書について解説していきます。
遺贈の定義と相続の違い
遺贈は、遺言書によって自分の財産を特定の方や団体へ無償で渡す仕組みです。
これに対して相続は、民法で定められた法定相続人が、決まった順番や割合に沿って財産を受け継ぐ制度を指します。
つまり、相続は親族を中心に承継先が決まる一方で、遺贈は遺言者の意思で、受け取り手を幅広く指定できる点に違いがあります。
遺贈で財産を受け取る方は「受遺者」と呼ばれ、相続人とは立場が異なるため、用語の意味も整理しておくことが欠かせません。
なお、受遺者が先に亡くなっていた場合は、相続のように子へ当然に引き継がれないため、その点も踏まえて内容を考えることが大切です。
遺言書の作成手順と注意点
遺贈を実現するには、法律上有効な遺言書を作成することが前提となり、口頭だけでは効力を持ちません。
主な方式には、自筆証書遺言と公正証書遺言があり、自筆証書遺言は本人が全文や日付、氏名を自書して押印する方法です。
一方の公正証書遺言は、公証人が内容を確認しながら作成するため、形式面の不備を避けやすい特徴があります。
自筆証書遺言は書き方を誤ると無効になるおそれがあり、保管方法によっては、家庭裁判所での検認が必要になる場合もあります。
不動産を確実に特定するには、財産目録や登記事項証明書を準備し、記載内容をわかりやすく整えておくと進めやすくなるでしょう。
受遺者の具体例とメリット
遺贈では法定相続人以外にも財産を託せるため、長年介護を支えた子の配偶者などを受遺者にすることができます。
そのほか、親しくしてきた友人や内縁の配偶者、支援したい団体や自治体を指定できる点も特徴です。
この仕組みを使えば、生前の感謝や社会貢献への思いを、財産の引き継ぎという形で具体的に示しやすくなります。
不動産についても、住み続けてほしい相手を決められるため、遺言者の考えが伝わりやすい点はメリットといえます。
ただし、配偶者や子などには遺留分があるため、希望を反映しつつ全体の配分にも配慮しておくことが欠かせません。
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遺贈の2つの種類

前章では、遺贈の基礎知識について述べましたが、具体的な遺贈の分け方も気になりますよね。
ここでは、包括遺贈と特定遺贈の2つの種類について解説します。
包括遺贈の概要と活用場面
包括遺贈は、全財産を渡す、または財産の3分の1を渡すといったように、割合や全体で指定する方法です。
個別の不動産や預貯金を細かく書かずに済むため、将来の財産内容が変わっても、遺言の趣旨を保ちやすいメリットがあります。
資産の入れ替わりが見込まれる場合や、複数人へ全体の割合を意識して承継したい場面では使いやすいでしょう。
包括受遺者は法定相続人に近い立場となるため、遺産全体を見ながら承継を進めやすい点も特徴です。
不動産だけでなく、預貯金や有価証券も含めて全体像として渡したいときに、考えを整理しやすい方法といえます。
特定遺贈の概要と注意点
特定遺贈は、どの財産を誰に渡すかを個別に示す方法であり、特定の不動産や預金を残したい場合に向いています。
たとえば、自宅の土地建物を同居してきた相手へ渡すなど、目的の財産を引き継ぎやすい点が魅力です。
受遺者は指定された財産だけを受け取るため、原則として借金などの負債を引き継がずに済む点も安心材料になります。
また、受け取る内容がわかりやすいため、関係者の間で話が整理しやすいこともメリットの1つです。
ただし、指定した不動産を生前に売却すると効力が失われる場合があるため、財産の変動を見ながら見直す姿勢が大切です。
両者の手続きと負担の比較
包括遺贈と特定遺贈では、受遺者にかかる手続きや負担の内容に違いがあります。
包括遺贈では、割合に応じて負債も引き継ぐ可能性があるため、財産の中身を事前に確認しておくことが重要です。
一方で、特定遺贈は、指定された財産のみを受け取る形となるため、負担の範囲をつかみやすい特徴があります。
また、放棄の方法にも差があり、包括遺贈は知ってから3か月以内に家庭裁判所で申述が必要ですが、特定遺贈は比較的手続きを進めやすい傾向があります。
不動産を確実に残したいのか、財産全体を柔軟に配分したいのかを先に整理すると、選び方が見えやすくなるでしょう。
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遺贈と相続の違い

ここまで、遺贈の種類と仕組みを解説しましたが、税金や登記手続きにおける相続との違いも、おさえておきましょう。
最後に、税率の差異や不動産登記のポイントについて、解説していきます。
財産受取人の範囲と順番
相続では、配偶者が常に相続人となり、子や直系尊属、兄弟姉妹の順で権利者が決まっていくのが基本です。
これに対して遺贈は法定相続人に限られず、内縁の配偶者や友人、団体なども受遺者として指定できます。
もちろん、法定相続人を受遺者にすることも可能であり、誰にどの財産を渡すかを遺言で細かく示せる点に特徴があります。
法律上の順番に沿って進むのが相続であり、遺言者の希望を優先して承継先を決められるのが遺贈です。
不動産の承継先をはっきり示したいときは、この違いを理解しておくことで準備の方向性がつかみやすくなります。
税負担の違いと節税の視点
遺贈で財産を受け取る場合も、基本的には相続税の対象となるため、まずは基礎控除の範囲を確認することが大切です。
基礎控除は3,000万円に法定相続人1人あたり600万円をくわえて計算され、受遺者の人数が増えても控除額は変わりません。
また、配偶者や1親等の血族以外が財産を取得すると、相続税額の2割加算が適用される場合があります。
内縁の配偶者や友人、兄弟姉妹への遺贈は税負担が重くなりやすいため、事前に試算しておくことが安心につながります。
税負担を整えるには、遺言の配分だけでなく、生前贈与も含めて全体で考える視点を持つことが重要です。
不動産登記の流れと注意点
不動産の名義変更である相続登記は、相続であれば取得した相続人が単独で申請しやすい点が特徴です。
一方で、遺贈では受遺者と遺言執行者、または相続人全員による共同申請が原則となり、必要書類も異なります。
ただし、法定相続人への遺贈については、2023年4月1日以降から受遺者の単独申請が可能となり、進め方が整理しやすくなりました。
さらに、法定相続人以外への遺贈では登録免許税が固定資産税評価額の2.0%となるため、費用面の差も見落とせません。
必要書類の収集や相続登記の期限も踏まえ、遺言執行者を定めたうえで早めに準備を進めることが大切です。
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まとめ
遺贈とは法定相続人に限らず特定の方や団体へ無償で財産を渡せる仕組みであり、実現には法律上有効な遺言書を作成することが不可欠です。
遺贈の分け方には割合で全体を引き継ぐ包括遺贈と個別の財産を残す特定遺贈の2種類が存在し、相手への負担や手続きの進めやすさを考慮して選択します。
法定相続人以外への遺贈は相続税が2割加算される場合があり、不動産登記の手続きも相続とは異なるため、早めに必要書類や税の負担を整理しておくと安心でしょう。
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