既存住宅売買瑕疵保険とは?売却時に利用するメリット・デメリットを解説
中古住宅を売却する際は「家の品質をめぐって買主とトラブルにならないか」と心配になりますよね。
そこでおすすめなのが「既存住宅売買瑕疵保険」です。
この記事では、既存住宅売買瑕疵保険とはなにか、売却の際に利用するメリット・デメリットを解説します。
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弊社へのお問い合わせはこちら売却する前に知っておきたい!既存住宅売買瑕疵保険とは?
既存住宅売買瑕疵保険とは、中古住宅の売買契約時に加入することができる保険制度です。
売主が既存住宅売買瑕疵保険に加入すると、買主から契約不適合責任による補修費用を請求された場合に、保険会社が保証の範囲内で引き受けてくれます。
具体的には、売買契約後に瑕疵(不具合)が発覚した場合に、買主から請求された補修費用に応じて、保険金が支払われる仕組みです。
契約不適合責任とは
不動産売買における契約不適合責任とは、引き渡した不動産が品質や数量、種類について契約内容と一致しない場合に売主が買主に対して負う責任のことです。
たとえば、売買契約後に引き渡した建物に雨漏りやシロアリ被害があることが分かった場合、買主は売主に対して補修費用や代金の減額請求をおこなえます。
既存住宅売買瑕疵保険の加入は任意ですが、万が一買主から修理費用を請求されたときに保証してもらえるため安心です。
ただし、加入するためには住宅保証機構などの専門機関による検査が必要となります。
既存住宅売買瑕疵保険の保証対象とは
既存住宅売買瑕疵保険の主な保証対象は、以下のとおりです。
●基本的な構造部分:基礎・土台・床版・柱・壁など
●雨漏りをする箇所:屋根・開口部・外壁など
上記のように、建物の基盤となる箇所について不具合があったり、性能を満たしていなかったりした場合に保険が適用されます。
なお、エアコンなどの付帯設備については、保証の対象外となるためご注意ください。
既存住宅売買瑕疵保険の費用相場とは
既存住宅売買瑕疵保険は、保険の適用期間や保証額、物件の広さによって異なります。
目安としては、以下のとおりです。
●一戸建て:約2万6,000円~5万5,000円
●マンション:約1万5,000円~3万1,000円
コンパクトな住宅で保険期間が短く、最大保証額も安い場合は、保険料の相場も安くなります。
また、家の検査料も別途5万円~10万円ほどかかります。
住宅瑕疵担保責任保険法人によっても料金が異なる場合があるため、相見積もりして検討すると良いでしょう。
売却時に既存住宅売買瑕疵保険を利用するメリットとは?
では実際に、既存住宅売買瑕疵保険に加入するとどのようなメリットが得られるのか気になるところでしょう。
中古住宅の売却時に既存住宅売買瑕疵保険を利用するメリットは、以下のとおりです。
メリット①トラブル防止になる
売主は、既存住宅売買瑕疵保険に加入することで、売買契約後に物件に関する欠陥や不具合が発覚した場合のリスクを軽減できるメリットがあります。
万が一欠陥が見つかった際には、保険会社が修繕費用を負担してくれるため、修繕費用の負担を最小限に抑えられるでしょう。
また、修理の対応も業者がおこなってくれるため、買主と直接やり取りする手間も省けます。
もちろん、保険の対象外となる瑕疵や損害賠償請求等については、売主が責任を負うことになります。
とはいえ、契約不適合責任のリスクを最小限にできるのはメリットとして大きいでしょう。
メリット②安心して取引できる
既存住宅売買瑕疵保険が適用されている物件は、万が一契約後に欠陥が見つかった場合でも、保険会社から修繕費用の補償を受けられるため買主にとって安心です。
また、売主にとっても住宅を検査した後に既存住宅売買瑕疵保険に加入するため、不具合がないか事前にチェックでき、安心して取引できるメリットがあります。
売り出す際に、既存住宅売買瑕疵保険に加入済みであることをアピールすると、家の安全性の宣伝にもなるため、買主が見つかりやすくなるでしょう。
メリット③税制の優遇措置がある
既存住宅売買瑕疵保険へ加入済みの家を購入した買主は、以下のような税制の優遇措置が受けられるメリットがあります。
●住宅ローン減税
●居住用財産の買換え特例
●登録免許税の軽減措置
●不動産取得税の軽減措置
住宅ローン減税が適用されると、一定期間は毎年のローン残高に応じて所得税等を節税することができます。
マイホームの買換えの場合は、元の家を売却したときの利益にかかる税金の支払いについて、新居を売却するときまで先延ばしできる特例です。
不動産を売買した際は、売主から買主へ所有権移転登記が必要ですが、登記申請の際にかかる登録免許税の税率も1.7%軽減できます。
不動産を購入するときにかかる不動産取得税についても軽減措置が適用されます。
このように、既存住宅売買瑕疵保険へ加入していると、買主にとっても節税できるメリットがあるため、売却の交渉がしやすいでしょう。
なお、買主が税制の優遇措置を受けるには「保険付保証明書」が必要となります。
加入時に発行される書類で、不動産売買契約の際に買主に渡す必要があるため、失くさないようにお気をつけください。
売却時に既存住宅売買瑕疵保険を利用するデメリットとは?
反対に既存住宅売買瑕疵保険に加入するデメリットも、加入前に知りたいところでしょう。
売却時に既存住宅売買瑕疵保険に加入する主なデメリットは、以下のとおりです。
デメリット①費用がかかる
前章でも述べたとおり、既存住宅売買瑕疵保険に加入する際は、保険料と検査料がかかります。
合計して平均7万円~14万円かかるため、決して安い費用とは言えません。
住宅を売却する際は、それ以外にも仲介手数料や登記費用、印紙税などの諸経費がかかるため、自己資金に余裕がない方にとってはデメリットでしょう。
仲介手数料や登記費用については、住宅の売却代金で支払うことも可能です。
しかし、既存住宅売買瑕疵保険の保険料や検査料、印紙税は住宅の売却代金を受け取る前に支払う必要があるため、ご注意ください。
デメリット②改修工事が必要になる場合がある
既存住宅売買瑕疵保険へ加入する際の検査で、建物に不具合が見つかった場合は改修工事をしてから再検査をする必要があります。
そのため、古くて劣化の激しい住宅の場合は保険料や検査料以外にも改修費用がかかるデメリットがあります。
とくに、1981年5月31日までの旧耐震基準で建築された住宅の場合は、大幅な改修工事が必要となる恐れがあります。
自治体によっては改修にかかった費用について一部助成金が得られる場合もありますが、それでも数十万円の自己負担がかかると見ておいたほうが良いです。
せっかく改修工事をしてまで既存住宅売買瑕疵保険に加入したのに売却代金で工事費用を回収できなかった場合は、デメリットが大きいでしょう。
そのため、既存住宅売買瑕疵保険に加入するかどうかは、費用対効果を見て検討することをおすすめします。
古い家の場合は、不動産会社へ買取依頼をするか解体して更地状態で売却する方法もあります。
物件の状態やかかる費用、立地によっても異なるため、まずは不動産会社に売却査定を出してから検討しましょう。
まとめ
既存住宅売買瑕疵保険は、中古住宅の売買契約時に加入することができる保険です。
売買契約後の物件の不具合について補修費用が保証されるため、安心して取引できるメリットがあります。
一方で、加入するには保険料や検査料の費用がかかり、物件によっては改修工事が必要になる点がデメリットです。
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