不動産売却で譲渡損失が出たらどうする?特例や確定申告の手順も解説

不動産を売却する際に譲渡損失が発生した場合、その特性を正しく理解することが重要です。
譲渡損失には適用できる特例があり、確定申告を活用することで節税効果を得られる場合があります。
適切な処理をおこなうことで、売却損の影響を最小限に抑えることが可能です。
この記事では、譲渡損失に関する基礎知識や手続きの流れについて解説します。
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不動産売却の譲渡損失とはなにかについて
不動産を売却した際、購入時よりも低い価格で売却すると「譲渡損失」が発生します。
この譲渡損失は、税金の計算や将来の節税対策に影響を及ぼす重要な要素です。
この章では、譲渡損失の基本的な概念から、税金への影響、そして適用される軽減措置について詳しく解説します。
売却損
不動産の売却損とは、売却価格が購入価格を下回った場合に生じる損失を指します。
たとえば、5,000万円で購入した物件を4,000万円で売却した場合、1,000万円の売却損が発生します。
この損失は、個人の資産状況や将来の投資計画に、大きな影響を与える可能性があります。
売却損が生じる要因としては、市場の下落や物件の老朽化などが挙げられます。
経済的な大幅変動や再開発計画の変更などに伴い、不動産価格が急落して損失が拡大することもあります。
また、維持管理費や修繕費が増加すると、買い手からの評価が下がって売却価格が低くなる場合もあります。
こうしたリスクを軽減するには、定期的な点検や市場動向を把握し、早めの対策を取ることが重要です。
税金
不動産の売却によって利益(譲渡所得)が生じた場合、その利益に対して所得税や住民税が課せられます。
しかし、売却損が発生した場合は、他の不動産の譲渡所得から控除することが可能です。
ただし、事業所得や給与所得など、他の所得と損益通算することは一般的に認められていません。
具体的には、長期譲渡所得(所有期間が5年を超える場合)と短期譲渡所得(所有期間が5年以下の場合)に分類され、それぞれ税率が異なります。
長期譲渡所得の場合は約20.315%、短期譲渡所得の場合は約39.63%が課税されます。
これらの税率は、売却損が発生した場合の控除にも影響を及ぼします。
また、譲渡損失が生じた場合でも、確定申告を行うことで特定の控除や軽減措置を受けられる場合があります。
居住用財産を売却した際の特例として、一定の要件を満たす場合は譲渡損失を他の所得と損益通算し、翌年以降3年間にわたり繰り越して控除することが可能です。
このような制度を活用するためには、最新の税制情報を把握し、専門家に相談することが重要です。
軽減措置
不動産売却で譲渡損失が発生した場合、一定の条件を満たすと税負担を軽減する措置が設けられています。
とくに、居住用財産を売却した際の特例としては、他の所得と相殺する損益通算、さらに翌年以降3年間にわたる繰越控除が利用できます。
これらを受けるには、譲渡資産が居住用財産であること、譲渡の年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていること、そして一定の基準を満たす譲渡損失の金額があることなどが必要です。
また、適用にあたっては確定申告が必須であり、譲渡所得の内訳書や売買契約書の写し、登記事項証明書などの書類を提出する必要があります。
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不動産売却で譲渡損失が出た場合に利用できる特例と利用条件
不動産を売却した際、購入時よりも低い価格で売却すると「譲渡損失」が発生します。
この譲渡損失に対しては、一定の条件を満たすことで税負担を軽減する特例が設けられています。
この章では、繰越控除の特例とその利用条件、そして適用される金額について詳しく解説します。
繰越控除
不動産売却で譲渡損失が生じた場合、特定の条件を満たすことでその損失を他の所得と相殺し、控除しきれない損失を翌年以降3年間にわたり繰り越して控除することが可能です。
この特例は、買い替えを伴わない場合でも、売却した住宅に住宅ローンの残高があることなど、一定の要件を満たす場合に適用されます。
たとえば、5,000万円で購入した自宅を4,000万円で売却して1,000万円の譲渡損失が生じた場合、その年の他の所得と損益通算をおこない、相殺しきれなかった損失は翌年以降3年間にわたって各年の所得から繰り越して控除できます。
ただし、この特例を適用するためには、売却した不動産が居住用財産であることや、その他の要件を満たす必要があります。
詳細な条件は、次のセクションで解説します。
条件
繰越控除の特例を利用するためには、以下の主な条件を満たす必要があります。
1.居住用財産の譲渡であること
売却した不動産が、自ら居住していたマイホームであることが求められます。
2.所有期間
譲渡した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えていることが条件となります。
3.譲渡損失の金額
譲渡損失の金額が、一定の基準を満たしていることが必要です。
4.確定申告の提出
特例を適用するためには、確定申告をおこない、必要な書類を提出することが必須です。
これらの条件を満たすことで、譲渡損失の繰越控除の特例を適用し、税負担の軽減を図ることが可能となります。
3,000万円以上
譲渡損失の繰越控除の特例を適用する際、譲渡損失の金額の多寡にかかわらず、前述の要件を満たす必要があります。
3,000万円以上の場合に、特別な手続きが求められる制度はありませんが、損失額が大きいほど税務署から詳細な資料の提出を求められる可能性があります。
そのため、売買契約書や譲渡費用の領収書などの関連書類を適切に保管し、必要に応じて提出できるよう準備しておくことが重要です。
また、適用に際しては専門的な知識が求められるため、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
特例適用時の注意
特例を使う際は、ローンの借換えや居住実態を正確に確認しましょう。
条件を誤ると、後日修正申告や追加納税が生じる可能性があるため、事前のチェックが必要です。
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不動産売却で特例を受けるための確定申告について
不動産を売却した際に譲渡損失が発生した場合、税負担を軽減する特例を受けるためには、確定申告が必要です。
最後に、確定申告の流れ、必要書類、申告の時期について詳しく解説します。
流れ
まず、譲渡損失が発生した場合は他の所得と相殺し、控除しきれない損失は翌年以降3年間に繰り越して控除できます。
この特例を受けるには、確定申告が必須です。
確定申告の大まかな流れは、必要書類の収集、申告書の作成、税務署への提出、そして還付金の受け取りとなります。
申告書は、国税庁の作成コーナーや、電子申告(eTax)を利用するとスムーズです。
必要書類
確定申告時に提出が必要な主な書類は、以下のとおりです。
●譲渡所得の内訳書
●売買契約書の写し
●登記事項証明書
●譲渡費用の領収書
これらの書類は、正確な申告をおこなうために重要です。
不備があると特例の適用を受けられない場合があるため、事前に準備しましょう。
時期
確定申告の提出期間は、譲渡がおこなわれた翌年の2月16日から3月15日までです。
期限を過ぎると、特例が受けられない場合や、延滞税が発生する可能性があります。
還付申告の場合、譲渡がおこなわれた翌年の1月1日から5年間は申告できますが、早めにおこなうほど還付金も早く受け取れます。
電子申告(eTax)を利用すれば手続きが簡便になり、還付金の受け取りもスムーズです。
事前に、マイナンバーカードやICカードリーダライタの準備が必要なので、余裕を持って進めてください。
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まとめ
不動産売却に伴う譲渡損失では、税制上の特例を活用することが可能です。
譲渡損失を軽減し、繰越控除を利用するためには条件を正確に把握しましょう。
確定申告を適切におこない、損失を有効に処理することで負担を軽減できます。
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