別荘が売却しにくい理由とは?居住用との違いや需要についても解説
「相続で取得した」「昔に購入したけれど、何年も使っていない…」そのような別荘は、早めに売るのが良いかもしれません。
しかし、別荘は、居住用の不動産とは税制上の決まりや需要の有無などが異なるため、売りにくいのが現状です。
そのため、適した売却方法で売りに出すことが重要といえます。
今回は、別荘が売却しにくい理由や、居住用との違い、需要について解説します。
別荘を売ろうとお考えの方は、ぜひ参考になさってください。
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別荘を売却するなら知っておきたい居住用不動産との税制上の違い
まずは、別荘を売却するなら知っておきたい、居住用不動産との税制上の違いについて解説します。
違い①:特別控除の適用外となる
違いとして、まず挙げられるのが、特別控除の適用外となることです。
不動産を売って利益が生じると、譲渡所得税という税金がかかります。
利益のことを譲渡所得と呼び、譲渡所得に応じた税金を納めなくてはなりません。
しかし、居住用不動産を売った場合、税金の負担を軽減させるための特別控除を利用できます。
条件を満たすと、最大3,000万円が譲渡所得から控除できる、節税に有効的な制度です。
たとえば、譲渡所得が3,000万円だったとしましょう。
利益がたくさん生じた場合でも、特別控除の適用によって利益をゼロにでき、税金が非課税になります。
その反面、別荘の場合は居住用不動産と違い、3,000万円の特別控除が利用できません。
その理由の一つが、「別荘=資産に余裕がある方所有するもの」という風に判断されるからです。
生活するうえで必須ではないので、居住用不動産を売るときのような税制上の優遇制度は利用できないことになります。
ちなみに譲渡所得は、買主から支払われた金額がそのまま反映させるわけではありません。
別荘を購入したときにかかった費用と、売却でかかった費用を差し引いた金額です。
また、譲渡所得税は、不動産を所有していた期間によって、下記のとおり税率が異なります。
●所有期間5年以下(短期譲渡所得):39%
●所有期間5年超え(長期譲渡所得):20%
所有期間が5年を超えるか否かで、税率が2倍ほど変わってきます。
税金の負担を軽減したい場合は、長期譲渡所得の税率が適用される時期まで待って、売却することも検討なさってください。
違い②:損益通算ができない
居住用不動産との違いとして、損益通算ができないことも挙げられます。
損益通算とは、不動産売却で損失が出た場合、ほかの所得を合算して税金を計算できる制度です。
損失によって、ほかの所得を少なくできるので、税金の負担を軽減することができます。
たとえば、給与所得が700万円で、不動産売却で200万円の損失が生じたとしましょう。
この場合、700万円から200万円を差し引いた、500万円に対して課税されることになります。
別荘は居住用不動産とは違い、この制度が利用できないため、700万円に対する税金を納めなくてはなりません。
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別荘が売却しにくいといわれる理由
続いて、別荘が売却しにくいといわれる理由について解説します。
理由①:築年数が古く修繕が必要な物件が多い
理由として、まず挙げられるのが、築年数が古く、修繕が必要な物件が多いことです。
別荘は1970年代以降に多く建てられ、1980年代後半のバブル時期に人気がもっとも高くなりました。
今は築40年以上を超える物件がたくさんあり、老朽化が進んでいるのが現状です。
別荘は居住用不動産と違い、一般的には日常生活に住むところではありません。
そのため、適切な維持管理がおこなわれず、劣化や傷みがより進んでいる物件が多いです。
別荘を購入したとしても、大規模な修繕が必要となるため、買主が見つかりにくくなります。
理由②:不便な立地にある物件が多い
不便な立地にある物件が多いことも、大きな理由の一つです。
別荘の多くは、自然が豊かな場所や、観光地の近くに建てられています。
別荘で過ごす時間はとても楽しく魅力的ですが、最寄り駅から遠かったり、バスが走っている大きな道路から離れていたりするケースが多いです。
かつて人の往来が多かった観光地であっても、現在は人が減り、生活に必要な施設も減少しつつあります。
不動産を購入する際、交通の利便性を重視する方も少なくありません。
不便な立地にある不動産は、居住用・別荘関係なく、売却しにくくなるでしょう。
理由③:所有すると費用がかかる
理由として、所有すると費用がかかることも挙げられます。
不動産を所有すると、固定資産税や維持管理費、住民税などが必要です。
別荘の場合、維持管理費が高額になる可能性があります。
たとえば、ほかの別荘との共益施設(道路や汚水処理設備など)の整備費や敷地内の管理費や清掃費、温泉付き別荘地なら設備管理費などが必要です。
固定資産税においても、土地に対してはそれなりの税金がかかります。
建物は築年数の経過によって安くなるものの、土地は経年劣化しないものとして扱われる財産の一つです。
広い土地の場合、高額な税金を支払い続ける必要があるでしょう。
また、別荘あるエリアに住民票がなくても、住民税がかかることにも注意が必要です。
別荘を購入する方は、金銭的な余裕がある方に限定されるため、売りにくいとされています。
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売却するなら知っておきたい別荘の需要
最後に、別荘の需要について解説します。
近年は需要が増えている
一昔前まで、別荘と聞くとお金持ちの方が所有したり、セレブが購入したりするものというイメージがありました。
しかし、近年は別荘に対する考え方や使い道が変わり、需要が増えています。
需要が増えている理由①:田舎暮らしやスローライフに憧れる方が増加している
需要が増えている理由として、まず挙げられるのが、田舎暮らしやスローライフに憧れる方が増加していることです。
古民家ブームなどにともない、田舎暮らしに憧れる方が増えています。
近年は、テレビやインターネットでも、田舎暮らしの魅力を発信していることが多いです。
田舎暮らしやスローライフに憧れる方のなかには、田舎暮らしの不便さや、非日常をあえて楽しみたいという方も少なくありません。
そのため、あえて築年数が古い家や、不便な立地を選ぶ可能性があります。
需要が増えている理由②:二拠点生活が注目されている
二拠点生活が注目されていることも、需要が増えている理由の一つです。
インターネットの普及や新型コロナウイルスの流行にともない、リモートワークやテレワークが広まりました。
働き方が変わり、会社に出社せずに仕事をする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自宅とは別に、働く場所を確保するため、セカンドハウスとして別荘を購入することがブームになりつつあります。
たとえば、出社が必要なときは都内のワンルームマンションに住み、リモートワークをするときや休日は別荘で過ごすというスタイルです。
自然環境に恵まれていることが多い別荘なら、心身ともにリフレッシュした時間を過ごせることと思います。
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まとめ
別荘の売却では、居住用不動産と税制上の違いがあり、原則優遇措置を受けることができません。
別荘が売りにくい理由は、築年数が古く修繕が必要な物件が多いことや不便な立地にあることなど、税金や管理費などの負担が大きいことなどが挙げられます。
需要が増えている理由は、田舎暮らしやスローライフに憧れる方が増加していることや、二拠点生活が注目されていることなどです。
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