売却向けコラム

一戸建てはマンションよりも売却が難しい?原因や対策をご紹介

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不動産売却を考えているものの、「一戸建ての売却は難しい」と聞いて二の足を踏んでいる方は多いのではないでしょうか。
売却したい一戸建ての状態が悪く、売りに出しても買主が見つからないのではと悩んでいる方もいることでしょう。
そこで今回は、一戸建ての売却が難しいと言われている理由と原因にくわえ、スムーズに売却するための対策をご紹介します。

一戸建ての売却が難しいと言われている理由とは?

一戸建ての売却が難しいと言われている理由とは?

世間では、「一戸建てはマンションよりも売却が難しい」と言われています。
不動産売却にかかる平均的な期間は3か月~6か月です。
しかし実際の取引データを確認すると、一戸建てを売却した方の多くは6か月以上かけて買主を見つけていることがわかります。
「一戸建ての売却は難しい」という話は単なるうわさではなく、不動産売却の実情だといえるでしょう。
一戸建ての売却が難しい主な理由は、次のとおりです。

理由①:資産価値の低下が早い

建物には、用途別・構造別に法定耐用年数が定められています。
法定耐用年数とは、減価償却の都合上、その建物に価値があるとされる期間のことです。
一戸建ての多くは、木造で建てられています。
一方、マンションは鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造が主流です。
それぞれの法定耐用年数は、次のようになっています。

●木造:22年
●鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造:47年


法定耐用年数が過ぎると、建物の価値は大幅に減少すると一般的に考えられ、建物によっては価値がゼロと見なされる場合があります。
築22年を超えた一戸建てを売却しようとすると、一戸建て自体はほぼ無価値になり、土地の価値が主になることが多いです。
法定耐用年数内だとしても、建物の価値は月日の経過とともにゼロに向かって下がるため、法定耐用年数が短い一戸建てのほうがマンションよりも急激に下落します。
資産として不動産を所有したい買主にとっては、古い一戸建て住宅は購入の対象外となってしまうのです。

理由②:都心部に少ない

都心部は地価が高いため、一戸建ては地価の安い郊外に建てられている傾向があります。
人気のベッドタウンなどは事情が異なりますが、のどかな地域の場合はそのエリアに住もうと考える方自体が少ないため、買主も多くありません。
一方、マンションは駅のすぐ近くといった利便性の高いエリアに建てられていることが多く、多少古くとも利便性に惹かれて購入を希望する方が現れます。

理由③:需要が少ない

一戸建ての購入を検討している方の多くは、新築を希望しています。
そのため、中古の一戸建てを希望する方自体が多くありません。
注文住宅の多くは建築主の好みや事情が反映されており、不特定多数のライフスタイルに合致するようには作られていないことがほとんどです。
少ない購入希望者のなかから、好みや事情を持つ方を見つけることは容易ではありません。
また時代とともに家族のあり方が変わり、マイホームとしてコンパクトなマンションを求める方が増えてきました。
投資を目的として不動産を購入する方にとっても、投資対象はマンションが主流であり、一戸建ては基本的には対象外です。

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一戸建ての売却が難しくなる原因とは

一戸建ての売却が難しくなる原因とは

先述の理由により、「一戸建ての売却が難しい」といううわさは事実です。
そのなかでも、とくに売れにくい一戸建てには、次のような原因が隠れている可能性があります。

原因①:価格が高すぎる・安すぎる

不動産には定価が存在しないため、売主が自由に売り出し価格を設定可能です。
しかし相場に比べて高すぎる価格を設定してしまうと、購入希望者に避けられてしまいます。
早く売りたいからといって安すぎる価格で売り出す方もいますが、価格が安すぎると「何か裏があるのでは」「事故物件なのでは」と怪しまれてしまい、買主が見つかりません。

原因②:築年数が古い

一戸建ての売却が難しい理由としてご紹介しましたが、築年数が古い一戸建ては売却が難しい傾向があります。
資産価値の低さにくわえ、耐震性など性能に対する疑問が生じるためです。
とくに1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた一戸建ては大規模地震に対応していないことが多く、安全性を重視する買主からは避けられます。
性能自体に問題がなかったとしても、月日の経過によって建物や設備に不具合が生じているかもしれません。
築年数が古ければ古いほど、その古さが原因となって買主が見つかりにくくなります。

原因③:利便性が低い

こちらも一戸建ての売却が難しい理由でご説明したように、よくある原因のひとつです。
公共交通機関の利用が難しい、近隣にスーパーマーケットや学校、病院などがないなど、利便性の低いエリアにある一戸建ては売却が難しくなります。
また築年数が古い場合は現代の暮らしと間取りや設備が合わず、一戸建て自体の利便性が低下しているケースも少なくありません。
一戸建ての利便性は、買主の暮らしの快適さに直結します。
せっかく一戸建てを買うのであれば立地・設備ともに利便性の高い住宅を買いたいと考える方が主流であるため、利便性の低い一戸建ては買主が見つかりにくいでしょう。

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売却が難しい一戸建てをスムーズに売るための対策とは

売却が難しい一戸建てをスムーズに売るための対策とは

売却が難しい原因によっては、適切な対策を講じると売れにくさが緩和される可能性があります。
この章では、売れにくい原因をカバーしてスムーズに売却するための対策をご紹介します。

対策①:タイミングを見極める

不動産売却では、売り出すタイミングが重要です。
新年度を控えた2月~3月ごろと、活動しやすい気候になる9月~10月ごろは不動産を購入したいと考える方が増え、不動産業界が活性化します。
反対に不動産が売れにくい季節は、行事が多く、暑さも厳しい8月です。
売却が難しい不動産をなるべく早く売るためには、購入希望者が増加するタイミングで売却活動をおこなうと良いでしょう。
不動産は「売りたい」と思ったらすぐに売り出せるものではなく、査定を受けたり、不動産会社と媒介契約を結んだりと、売り出すまでに多くの準備をしなくてはなりません。
そのため、不動産業界が活性化するタイミングの1か月~2か月前に準備に着手することをおすすめします。

対策②:一戸建ての良さをアピールする

売却が難しい原因にばかり気を取られていると、一戸建ての良さのアピールがおろそかになってしまいます。
日当たりが良い、広々としているなど、建物独自の良さのほか、使い勝手の良いスーパーマーケットがある、駅は遠いがバス便が充実しているといった周辺環境の良さも伝えるようにしましょう。
また、不動産会社が作成した広告の内容についてもチェックする必要があります。
魅力をしっかりとアピールできているか、写真はカラーで充実しているかを確認し、一人でも多くの購入希望者の目に留まるような広告の作成を依頼してみてください。

対策③:ホームステージングを実施する

一戸建ての良さをアピールするためには、室内の美しさも重要です。
掃除を徹底することはもちろんですが、「ホームステージング」を実施することもおすすめします。
ホームステージングとは、家具やグリーンで室内をおしゃれに整え、モデルルームのような雰囲気を演出することです。
内覧時に好印象を与えられるだけでなく、ホームステージング後の室内の写真を広告に使用すると、多くの方の目に留まる効果も期待できます。
過去の調査では、ホームステージングを実施した物件と実施していない物件において、成約までの日数に3倍近い差があることがわかりました。
数万円程度の費用はかかりますが、スムーズに売却したい方にはおすすめのサービスです。

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まとめ

一戸建ては資産価値の低下が早いこと、都心部に少ないことなどが理由となり、マンションよりも売却が難しい傾向があります。
築年数が古い一戸建てや過疎地にある一戸建ては、とくに買主が見つかりにくいでしょう。
スムーズに売却するための対策として、売り出すタイミングを工夫したり、ホームステージングを実施したりすることをおすすめします。


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