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家族信託の手続きのやり方とは?必要書類や注意点についても解説!

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近年、注目されている「家族信託」に関心を持っている方も少なくないのではないでしょうか。
判断能力が衰えた場合に備えて、所有している財産管理を家族に託し、管理を依頼する方が増えてきています。
そこでこの記事では、家族信託の目的ややり方の流れ、注意点についてを解説をしています。

家族信託のやり方の特徴と流れ

家族信託のやり方の特徴と流れ

家族信託とは、自分が所有している不動産などの財産を、生前のうちに信頼できる方に預けて、管理や運用、処分などを任せる方法です。
仕組みややり方、流れなどについて見ていきましょう。

家族信託の仕組み

財産の管理を依頼する方は委託者、管理や運用をする方は受託者、利益を受ける方が受益者と呼ばれます。
委託者は、受託者に対して財産の管理や処分の指示をおこないます。
財産の運用によって得られた利益を受け取るのが、受益者です。
受託者は委託者から財産を引き継ぎ、目的に沿って信託財産を管理をします。
委託者と受益者は、同一人物のケースが一般的です。
さらに、委託者の代理として管理を監督する役割がある、指図人が置かれるケースもあります。

家族信託利用のメリット

家族信託は、成年後見制度と比べると、比較的簡易的な手続きで開始できます。
また財産の所有者自身が委託者を決め、委託する財産の内容、運用方法を指定できるため、希望に沿った財産管理が可能です。
契約内容によって本人が亡くなった後に相続させる方だけでなく、その次に相続する方も指定できるメリットもあります。

家族信託の手続き方法

家族信託を実行するには、最初に家族間で話し合って合意が得る必要があります。
委託だけでなく、財産の運用についての希望を伝えたうえで、計画を立てておきましょう。
家族間で合意が得られたら、信託契約書を作成します。
契約書の書式には法的な決まりはありませんが、信託する財産内容や目的などをできるだけ細かく記載します。
完成した信託契約書は、公証役場で公正証書に起こすのがおすすめです。
公証人が作成した文書にしてやっと公的な証明力を持ち、紛失などのトラブルも防止できます。

信託財産の登記変更

財産に不動産がある場合は、信託財産の登記変更手続きも必要です。
法務局において所有権移転登記名義の手続きをおこない、名義を受託者に変更します。
信託が理由で変更した場合は、登記内容に信託と明記されます。

口座の開設

家族信託の財産管理は、金融機関で信託用の口座を用意すると、円滑に進められます。
法的には信託用口座の開設は義務付けられていませんが、受託者は自分の財産と区別する義務があります。
そのため、信託のための口座を開設して、財産の混在を防ぎましょう。

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家族信託のやり方と手続きに必要な書類

家族信託のやり方と手続きに必要な書類

信託の手続きに際し、財産に不動産が含まれる場合、登記変更のための準備が必要となります。
それぞれの書類の内容や、提出や準備のタイミングについて知っておきましょう。

家族信託契約書の公正証書化に必要な書類とタイミング

信託契約書を公正証書にする場合には、信託を考えている方、受益者の実印が必要です。
公証役場で書類を作るタイミングで、必要な書類を準備します。
本人確認資料は、免許証やマイナンバーカードといった公的機関が発行した書類です。
その他、家族関係が証明できる戸籍謄本も準備しておきましょう。
また、公証役場で公正証書を作成するためには、作成のための費用も必要となります。
作成費用は、信託をする財産の額によって変わります。

不動産の信託に必要な書類

信託する財産が不動産の場合は、登記変更手続きも必要となります。
法務局で登記変更の手続きをする場合は、本人確認書資料や印鑑証明書が必要です。
そして、登記済証や登記識別情報、登記事項証明書、固定資産税評価表明書も準備します。
印鑑証明書は、実印登録している市町村の役場で申請して発行します。
発行して3か月以内が有効期限が決められていますので、期限に注意して準備しましょう。

信託口座の開設に必要な書類

金銭を信託する場合には、証券会社や信託銀行などで、信託用口座の開設手続きをします。
口座の開設には、受託する方の本人確認資料や信託契約書、口座の届出印などが必要です。
戸籍謄本など、委託される方との関係性がわかる資料も事前に準備しておきましょう。
金融機関によっては、信託用の口座に対応していないケースもあります。
また、開設にあたって必要とされる提出書類も、金融機関によって異なります。
事前に金融機関に問い合わせて、口座の有無や開設のやり方を確認しておくのがおすすめです。

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家族信託のやり方と注意点

家族信託のやり方と注意点

家族信託を契約し利用する際には、注意すべきポイントがあります。
3つの注意点について、解説をしています。

家族の十分な理解が必要

財産を委託された家族は、受託者として、財産の管理責任や義務が発生します。
信託の仕組みや目的が十分に周知されていないと、他の家族にとっては不公平に感じるかもしれません。
委託者と受託者のみでも信託契約は可能ですが、他の家族の同意がないと、トラブルの可能性に発展する可能性もあります。
トラブルを避けるためにも、家族全員で話し合い理解を得るのが重要です。

スタートする前に決めておく

信託を開始する前には、家族と十分な話し合いの場を持ちましょう。
最初にどうして信託を利用したいのか、利用する目的を明確にします。
家族間で共通の認識を持っておくのが重要なポイントです。
話し合いでは、信託財産の種類や内容、どのように運用するかといった管理方法も決めておきます。
信託法では、家族信託の場合は期間が設定されています。
信託を開始して30年が経過すると、受益者が死亡すると次の受益者までで、信託が終了する決まりです。
その次、さらにその次と受益者の指定はできません。
そのため受託者、受益者が亡くなった後には、どのように財産を取り扱うかについても、取り決めておきましょう。
受託者が1人で、不安がある場合には、受託者管理人をさらに決めるのもおすすめです。
家族全員が納得するまで話し合い、決定した内容は、契約書で文書化します。

家族信託以外の方法も検討する

家族信託によって財産を委託する以外にも方法があります。
まず、財産の管理や判断能力が衰えた場合にサポートを受けられる方法には、成年後見制度があります。
後見人が本人の代理人となり銀行の手続きだけでなく、法律的な手続きもおこなえます。
成年後見制度は、家庭裁判所に申請して手続きを進める必要があるため、手続きが煩雑です。
制度の目的上、自由に財産管理、運用はできません。
また、後見人に対して、毎月報酬の支払いが発生します。
次に、遺言書を利用して、財産の管理について指定をしておく方法もあります。
遺言書の場合は、本人が亡くなった後に効力が発揮され、財産が相続人に遺贈されます。
存命のうちは、本人が財産を所有して管理が必要です。
近年では、代理人制度サービスを取り扱っている銀行や信託銀行なども増えています。
代理人制度は、認知能力が低下した場合に備え、家族を代理人として登録しておくと、本人に代わって銀行の手続きができるシステムです。
さまざまなシステムや制度を知っておき、自分や家族の考えや目的にもっとも合致する方法を選択しましょう。

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まとめ

家族信託とは、信頼できる家族に所有している財産を託し、管理や運用を任せる契約です。
家族信託を利用するには、財産の管理方法や目的を決め、信託契約書の作成が必要となる他、不動産の場合、登記移転手続きなどが必要となります。
信託を始める前には、家族の間で十分な話し合いの場を持ち、共通の認識を持つようにしましょう。


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