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家族信託とは?相続対策のメリットやデメリットを解説!

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相続に関する用語や仕組みはさまざまですが、そのなかでも家族信託について聞いたことがある方も少なくないかと思います。
今回は家族信託とは何か、どのような仕組みなのかを解説していきます。
また、相続対策におけるメリットやデメリットにも触れていますので、ご参考になさってください。

家族信託とは

家族信託とは

そもそも「家族信託」とはどのようなものなのでしょうか。
以下で見ていきましょう。

家族が財産を管理する方法

家族信託とは、家族が財産管理をする相続対策方法として用いられます。
財産の所有権を財産権と、財産を管理運用処分できる権利に分けられる仕組みです。
また、家族信託とは後者だけを子どもに託せるため、家族内でこうした財産管理をおこないたい場合に利用されています。
家族信託のメリットとして、財産を所有している親の認知症対策になる点が挙げられます。
現在は問題ない状態でも、高齢になると誰しもが認知症になるリスクがあり、場合によっては会話すらできなくなるケースもあるのです。
こうした事態に発展した場合、財産を誰がどのような方法で管理するのか、遺産をどのような方式で相続するのかなど、本来考えるべき相続人本人が対応できなくなります。
しかし家族信託を利用しておけば、万が一親が認知症になった場合でも、子どもが親に代わって財産の管理・運用・処分ができます。
万が一の際に備えるためにも、家族信託とは大きなメリットがあるのです。

家族信託の仕組み

家族信託には「委託者」「受託者」「受益者」の3者が必要です。
委託者は財産を所有しており、財産を信託する方を指します。
受託者は財産の管理運用処分を、委託者から任される立場です。
さらに、受益者は財産権を持っており、利益を受けられる方を指します。
このように、それぞれ全く異なる立場となっています。
基本的な流れとしては、委託者が財産の管理を受託者に任せます。
そしてその財産から発生した利益は、受益者が得る仕組みです。
家族信託においては親が委託者、子どもが受託者となり、受益者も親となるケースが大半です。

家族信託が注目されている理由

近年では家族信託が注目されていますが、その理由は日本で高齢化が加速しているからです。
要介護認定者は75歳以上になると9割弱になると言われており、高齢になるのに比例してリスクが高くなります。
認知症が悪化した場合、所有財産にも影響があります。
たとえば万が一のトラブルを避けるために、銀行口座は凍結状態となり、たとえ親族でも親の口座からお金を引き出せなくなるのです。
このような背景事情が絡んでいるため、親の預貯金から介護費用を捻出できなくなり、介護ができなくなる場合があります。
こうした問題を未然に防ぐためには、家族信託での財産管理が適していると考えられるでしょう。
日本では高齢化が問題になっているため、今後も相続対策での家族信託の需要は高くなると予想されています。

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家族信託のメリット

家族信託のメリット

家族信託にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下で見ていきましょう。

柔軟な財産管理ができる

家族信託のメリットは、柔軟な財産管理ができる点にあります。
これまでは財産管理の方法として、成年後見制度を利用する選択肢がありました。
しかし、成年後見制度の場合、ある程度の負担と成約があるため、かえってストレスになるケースもあるのが事実です。
毎年家裁へ報告をしなくてはならない仕組みや、資産の積極的活用をはじめとする成約など、さまざまな物事に縛られなくてはなりません。
なかには成年後見制度を利用したのに対し、後悔してしまう方もいます。
しかし、家族信託は最初から資産の管理や処分などを委託・受諾できます。
委託者である親が健康なうちは、本人が財産管理をすれば問題ありません。
また、もし親が判断能力を失ってしまった場合、受託者が代わって財産管理ができます。
このように、場面によって柔軟に対応できるのが、家族信託のメリットといえるでしょう。
積極的に資産運用するか、組み換えをするかなどの判断も、受託者が判断しておこなえるため、自由度が高い仕組みです。

財産管理が委託者の判断能力に影響されない

家族信託は、財産管理が委託者の判断能力に影響されないのが利点です。
たとえば先述したように、親が認知症になった場合は、銀行口座が凍結されてしまいます。
不動産売却もできなくなるため、委託者の判断能力低下による影響は大きくなります。
しかし、家族信託をおこなっておけば、万が一判断能力が低下しても、自由に財産を扱えるでしょう。
財産の名義を子どもに変えられる、必要に応じて処分できるなど、委託者が認知症になった場合でも受託者が判断できるため安心です。

ハイリスクな不動産の共有を回避できる

親から相続した収益不動産を、兄妹で共有する場合があります。
しかし、この場合は共有者のうち一人が認知症になると、全体が凍結してしまう可能性があるのです。
こうしたリスクが高い不動産の共有を避けるための相続対策法としても、家族信託は役に立つのではないでしょうか。
家族信託で他の共有者の持分を別の方に信託すれば、判断能力の喪失に影響されません。
収益もそれぞれの方が得られるため、さまざまな活用方法があります。

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家族信託のデメリット

家族信託のデメリット

家族信託にはデメリットもあります。
以下で詳しく見てみましょう。

受託者に関する争い

家族信託を利用する場合、財産を扱う受託者を決めなくてはなりません。
多くの場合、受託者は財産の相続が決まっているケースが多く、財産を所有するのが誰にするか争う可能性が高いのです。
受託者は財産を管理・運用しなくてはなりませんが、その代わりに財産を相続するのが前提となる仕組みです。
一般的に受託者ではない場合、信託財産を引き継げない可能性が高いため、親族同士で言い争いになるケースは少なくないです。
そのため、一般的に家族信託を利用する場合、受託者ではない他の親族への配慮も必要となります。

契約の同意が得られない場合がある

家族信託は、委託者となる方に契約の同意を取らなくてはなりません。
受託者だけで契約手続きを進めるのは不可能となります。
しかし、いざ委託者の立場となる親族に信託に関する説明をしても、契約の許可が得られないケースがあります。
同意を得られない理由として、親族が制度の仕組みを理解できないケースが多いです。
贈与や売買などと比較すると、普段見聞きする仕組みではないため、なんとなく避けてしまう方は少なくないです。
「面倒そうなので対応したくない」と断られてしまう可能性は少なからずあるでしょう。
また、財産が受託者の名義に変わるのに、抵抗を覚えてしまう方もいます。
もしかすると自分が存命している最中に、財産が他の親族の物になるのではと不安になり、契約を断る方は多いです。
こうしたデメリットを避けるためには、家族信託とは何かを分かりやすく説明し、安心して契約できる状態を整えるのが大切です。

直接的な節税対策ができない

家族信託は、あくまでも委託者に代わって受託者が財産を管理できる仕組みです。
直接的な節税対策にはならないため、注意が必要となります。
不動産の名義が子どもに変更となっても、受益権は親の元に残っています。
そのため、財産の評価を下げる仕組みもありません。
もし親に相続が発生した場合は、財産権は契約で定められた方に承継されますが、その際に相続税と同じ金額の税を納付しなくてはならないルールになっています。

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まとめ

家族信託とは、相続対策を目的に家族観で財産を管理する方法であり、近年注目を集めている背景事情があります。
認知症対策になる利点があるものの、受託者を誰にするかで揉める可能性があるため、メリットとデメリットを理解したうえで活用しましょう。


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