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パワーカップルとは?住宅ローンの種類や注意点について解説

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最近ニュースなどでよく耳にする「パワーカップル」ですが、住宅ローンを組む際にはどのような点に気を付ければ良いのか気になりますよね。
そこで本記事では、パワーカップルとはなにか、パワーカップルにおすすめの住宅ローンの種類や住宅ローンを組むときの注意点を解説します。
夫婦でマイホームの購入をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

パワーカップルとは?住宅ローンとの関係

パワーカップルとは?住宅ローンとの関係

「パワーカップル」は一般的に、双方が高収入で経済的に安定している夫婦を指しますが、厳密な定義は存在しません。
年収の基準については、研究機関や専門家によって異なります。
たとえば、三菱総合研究所では、世帯年収が1,000万円以上で、夫の年収が600万円以上、妻の年収が400万円以上である夫婦を「パワーカップル」と認定しています。
一方、ニッセイ基礎研究所の定義では、世帯年収が1,400万円以上であることが必要です。
これらの基準を参考に、自身の状況と照らし合わせると良いでしょう。

共働き世帯の増加

「パワーカップル」の条件として、共働きが挙げられます。
共働きの世帯は、統計的に見ても増加傾向です。
男女共同参画局の統計データによれば、共働きの世帯は全体の約7割以上を占めています。
つまり、夫婦双方が収入を得ていることが一般的であることを示しています。

住宅ローンとの関係

住宅ローンを検討する際には、年収に基づいて借り入れ額を計算しましょう。
一般的には、年収の7~10倍の借り入れ額が基準です。
たとえば、夫の年収が600万円で、妻の年収が400万円の「パワーカップル」の場合、借り入れ額は7,000万円から1億円の範囲内で設定できます。
この範囲内であれば、住宅ローンの返済が可能であるとされています。
ただし、住宅ローンは長期間にわたって返済をおこなうため、将来の変化に対処できるように計画することが大切になります。
夫婦が現在の収入を維持し続けることが難しい状況が生じる可能性もあるため、リスク管理が重要です。
子どもの誕生や親の介護、健康問題などが発生した場合、返済が難しくなることが考えられます。
また、借り入れ額を世帯年収の5倍などに制限すると、将来の不確実性に備えることができるでしょう。

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パワーカップル向きの住宅ローンの種類とは?

パワーカップル向きの住宅ローンの種類とは?

パワーカップル向きの住宅ローンは、3種類あります。
夫婦の状況に合わせて、最適な住宅ローンを組むことが大切です。
以下で、住宅ローンの種類と特徴をご紹介します。

①連帯保証型

連帯保証型とは、1人が主たる債務者となり、もう1人が連帯保証人として1つの住宅ローンを借りる方法です。
債務者の支払いが遅れた場合、連帯保証人は支払いをおこなう責任が生じますが、支払いを保証するだけで、購入した不動産の共有権は持ちません。

②連帯債務型

連隊債務型とは、夫婦が連帯債務者として1つの住宅ローンを借りる方法です。
連帯債務者は、債務を共同で負うため、金融機関から見ればどちらの債務者に対しても支払いを要求できます。
したがって、購入した不動産の名義は通常、収入割合に応じて共有されます。

③ペアローン

ペアローンとは、夫婦それぞれが自身の名義で住宅ローンを借りる方法です。
夫婦それぞれが個別に債務を負い、お互いに住宅ローンの連帯保証人となるのです。
たとえば、マイホームの購入額が7,000万円で借り入れ額が6,000万円の場合、通常の住宅ローンでは夫または妻の1人が主たる債務者として1つの住宅ローンを組みます。
または、両者の収入を合算して連帯債務を組むケースも考えられます。
一方、パワーカップルの場合、両者の所得が高いため、それぞれが別々に住宅ローンを組むことが可能です。
ペアローンでは、たとえば「夫名義3,000万円」「妻名義3,000万円」といった形で、それぞれの名義で住宅ローンを組むことができます。
そのため、住宅ローンの契約は2つになります。
ペアローンのメリットは、夫婦それぞれの収入に対して最大限の住宅ローンを借りられる点です。
金融機関によっては、連帯債務者が連帯する割合に制限を設けていることがありますが、ペアローンではそれを回避できます。
また、夫婦それぞれが自身の名義で住宅ローンを借りるため、それぞれが団体信用生命保険に加入することができます。
団体信用生命保険は通常の生命保険よりも保険料が安いためお得です。
ペアローンでは、夫婦2人ともに「住宅ローン控除」を利用できる点もメリットです。
住宅ローン控除を活用すれば、節税効果が期待できます。
以上のメリットを考慮すると、ペアローンがパワーカップルにとって魅力的な住宅ローンの選択肢であることがわかります。
自身の状況に合わせて最適な住宅ローンを選び、安心して不動産購入を進めましょう。

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パワーカップルが住宅ローンを組む際の注意点とは?

パワーカップルが住宅ローンを組む際の注意点とは?

パワーカップルの方々が、高い世帯年収を生かして住宅ローンを組む際には、以下の点に注意が必要です。

注意点①ペアローン

前述のとおり、ペアローンとは夫婦が同じ不動産に対して別々に住宅ローンを組む方法です。
夫婦双方の収入を活かして借り入れ額を増やすことができ、高額な不動産を購入する機会が増えます。
ただし、ペアローンでは夫婦双方が住宅ローンの返済に責任を負う点に注意が必要です。
片方の収入が途中で減少した場合でも、返済は夫婦2人の収入からおこなわなければなりません。
将来的に片方の収入に変動がある場合や妻が仕事を辞める可能性がある場合には、慎重に計画する必要があります。
また、団体信用生命保険は、夫婦のどちらかが亡くなった場合、亡くなった方の借り入れ分を保証しますが、もう一方の借り入れ分には適用されません。

注意点②持ち分登記

持ち分登記とは、夫婦それぞれの名義で住宅ローンを組む場合、不動産は夫婦共有の名義になります。
この際、購入した不動産の所有権を登記する際に、夫と妻の持ち分を明確に分けて登記する必要があります。
住宅ローンの割合と登記された住宅の持ち分割合に差が生じないようにすることが重要です。
差がある場合、贈与税の対象になる可能性があるため、計画的に持ち分を登記する必要があります。
たとえば、5,000万円の物件に対し、夫が3,000万円、妻が2,000万円の借り入れをおこなった場合、物件の持ち分割合は夫が60%、妻が40%です。
しかし、あやまって夫と妻の持ち分割合を50%ずつと登記してしまうと、妻の負担が本来よりも500万円少なくなり、贈与税の対象となることがあります。
持ち分登記の際には、司法書士などの専門家の助言を受けつつ、慎重におこないましょう。

注意点③住宅ローンの借り入れ額

パワーカップルは世帯年収が高いため、通常よりも高額な住宅ローンを組むことができます。
しかし、高額な借り入れ額を選択する際には、将来のリスクに備える必要があります。
夫婦の一方が働けなくなるリスクや、子どもの出産や教育費の増加など、生活環境が変化する可能性を考慮しましょう。

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まとめ

パワーカップルとは、双方が高収入で経済的に安定している夫婦のことです。
住宅ローンは連帯保証型、連帯債務型、ペアローンの3種類ありますが、パワーカップルにはペアローンがおすすめです。
注意点は、ペアローンは夫婦双方が返済負担を負う点や持ち分の登記、将来のリスクを考慮して借り入れ額を設定することが挙げられます。


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