寄与分は認められる?相続時の貢献や制度の違いについても解説
相続の際には、被相続人に対して特別な貢献をした方の取り分をどのように評価するかが大きな課題となります。
そうしたケースに対応する制度として設けられているのが「寄与分」であり、他の相続人との公平な分配を図る仕組みです。
さらに、近年の法改正により、相続人以外の貢献者に対しても認められる「特別寄与料」の制度が新たに加わりました。
この記事では、寄与分の基本的な考え方や認められる条件、特別寄与料の内容とその活用方法について解説いたします。
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相続の際の寄与分とは

寄与分は、特別な貢献をした相続人の取得分を増減させて公平を図る制度です。
制度趣旨を理解しておくと、遺産分割協議での交渉が円滑になります。
近年は、高齢化に伴い介護型寄与が増加している点にも注目が集まっています。
ここでは、寄与分の基本知識から計算方法までを順序立てて解説していきます。
被相続人
被相続人とは、相続が発生したときに財産を残す人のことです。
遺言があればその内容に、なければ法定相続に従って不動産や預貯金などの遺産が配分されます。
生前贈与などの特別受益がある場合は、公平を保つため遺産分割時に調整される仕組みです。
寄与分の主張は遺産分割協議や家庭裁判所の手続でおこなわれ、配分に直接影響します。
遺産の範囲を正確に把握することは、後述する寄与分の算定基礎にも直結します。
現金化しにくい不動産については、評価額の算出方法が争点となる場合もあります。
貢献
寄与分の対象となる貢献は、扶養義務を超える無償の労務や資金援助です。
たとえば、長期の無償介護や、被相続人の事業への無償従事が該当します。
証明には日々の記録や出納帳、医療・介護書類など客観資料が不可欠で、資料が乏しいと主張が難航し他の相続人との紛争に発展しかねません。
とくに、介護型の寄与は家庭内で完結しやすく、証拠が散逸しやすい点に注意が必要です。
寄与行為を開始した段階から書類や日誌を整えておくと、後の立証が容易になります。
相続分以上
寄与分は、遺産総額から寄与分を差し引いた額を「みなし相続財産」とし、これを基に各相続人の取り分を計算した後、寄与が認められた相続人はその額に寄与分を上乗せする方式で算出します。
たとえば、遺産6000万円、相続人2人、寄与分1000万円なら、基準額5000万円を各2500万円に分け、寄与者は最終的に3500万円を取得することになります。
金額は貢献の内容や期間などから算定され、合意できなければ家庭裁判所の調停・審判で決められるため、早期に専門家へ相談しましょう。
配分方法を数値で示すと理解しやすく、相続人間の納得感も高まります。
さらに、実際の調停実務では、不動産評価額や事業の将来収益も考慮されることがあります。
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相続の際に寄与分が認められる要件

寄与分が認められるかどうかは、法律の定める要件と類型に基づいて判断されます。
基準を知っておけば、寄与分の有無をあらかじめ検討でき、無用な対立を減らせます。
各要件の充足性は家庭裁判所が総合的に判断するため、実務では複数の証拠を積み重ねる戦略が採られます。
ここでは、要件・類型・除斥期間を整理し、具体例とともに実務上の注意点について解説していきます。
5つの要件
寄与分が認められるためには、実務上次の5要件をすべて満たす必要があります。
1つ目は、寄与した人物が相続人であることです。
相続人でない人物の貢献は、寄与分とは別の特別寄与料として扱われます。
2つ目は、寄与行為が無償であることが求められます。
被相続人から給与や謝礼を受けていた場合は寄与分として評価されません。
3つ目は、被相続人の財産の維持または増加に実質的に貢献していることが必要です。
単なる同居や家事手伝いでは足りず、経済的価値が認められる行為であることが求められます。
4つ目は、その貢献が他の相続人の扶養義務を超える特別の寄与であることです。
平等な扶養義務の範囲を超えた顕著な働きがあったかどうかが判断のポイントとなります。
5つ目は、行為が一時的なものでなく相当期間継続していることが必要です。
短期間の援助では継続性が認められず、寄与分と評価されにくくなります。
5つの型
寄与行為は内容に応じて、以下の5型に分類されます。
●療養看護型:無償の介護や看護を長期間にわたりおこなったケース
●事業従事型:被相続人の事業に無報酬で従事し、経営を支えた場合に該当
●金銭等出資型:寄与者が自己資金や物品を提供して被相続人の財産を維持または拡大させたケース
●扶養型:生活費や医療費を継続して負担し、被相続人の生活基盤を支えたケース
●財産管理型:通院の付き添いや家屋の管理など、被相続人の財産や生活を総合的に管理して経済的損失を防いだケース
このように、各型は貢献の性質が異なります。
そのため、自らの行為がどの型に当たるかを整理し、該当する資料を集めることが主張の第一歩です。
具体的には、介護日誌や事業帳簿などの一次資料にくわえ、第三者の証言書も評価対象になります。
証明計画を立てて、資料を整理することが紛争解決の近道です。
寄与分の主張期限
民法改正により、相続開始から10年を経過した遺産分割では寄与分を主張できません。
ただし、改正前の相続は施行日から5年間、旧法が適用されます。
主張を考える場合は期限を意識し、早めに手続きを進める必要があります。
除斥期間を過ぎると寄与分主張そのものが排斥されるため、専門家への相談は相続開始後できるだけ早くおこなうべきです。
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特別寄与料とは

特別寄与料は相続人以外の親族の無償の貢献を金銭で評価する仕組みです。
負担の見返りが得られず介護離職に追い込まれる事例を防ぐ観点からも、有効に活用したい制度です。
自分に該当するかを早めに確認することで、適正な評価を得やすくなります。
以下では、制度の概要と請求方法について解説いたします。
相続人
特別寄与料は、相続人以外の親族が無償で介護や生活支援をおこない、財産保持に特別な寄与をしたときに請求できる金銭です。
請求は相続人に対しておこない、認められた額は各相続人の取得分から按分されます。
長男の妻が長期介護を担った場合などが典型例です。
請求額は寄与行為の内容や期間を基に総合評価され、全額が認められるとは限りません。
証拠収集と親族間の調整が重要です。
家庭裁判所では寄与行為の具体性や期間を聴取し、相続人間の利害調整を図ったうえで金額を決定します。
民法改正
本制度は平成30年民法改正で創設され、令和元年7月1日に施行されました。
寄与者は相続開始を知った日から6か月以内、かつ相続開始から1年以内に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。
期限を徒過すると権利が消滅するため、相続発生後のスケジュール管理が欠かせません。
必要書類には寄与行為を裏付ける写真や日誌、支出明細なども含めると効果的です。
親族
請求できるのは被相続人の親族で相続人でない者に限られ、六親等内の血族と三親等内の姻族が対象となる。
内縁配偶者や友人、介護サービス提供者などは含まれず、内縁の配偶者や友人、単なる介護サービス提供者は対象外です。
まず相続人と協議し、合意できなければ家庭裁判所へ申立てる流れとなる。
申立書には介護記録や領収書などの資料を添付すると説得力が高まります。
適切な手順を踏むことで、親族関係をこじらせずに正当な補償を得られる可能性が高まります。
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まとめ
寄与分は、被相続人に特別な貢献をした相続人の取り分を適正に調整するために設けられた制度です。
要件や認められる具体例を把握することで、自らの寄与を適切に主張するための土台が築かれます。
近年の民法改正により相続人以外の親族も特別寄与料を請求できるようになり、公平な相続実現に役立ちます。
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