買戻し特約はどんな制度?不動産売買での注意点についても解説
不動産の売買契約書に「買戻し特約」という言葉を見つけて、その意味が分からず不安に感じていませんか。
この特約は、売主が一定期間内であれば、売却した不動産を買い戻せる権利のことで、取引の安全性を高める一方で、注意すべきリスクも潜んでいます。
本記事では、買戻し特約の仕組みや注意点、さらに売主・買主双方にとってのメリットまでを解説いたします。
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買戻し特約とは

不動産売買の契約書に、記載されることがある「買戻し特約」についてご存じでしょうか。
まずは、買戻し特約の基本的な仕組みや、どのようにして成立するのかについて解説していきます。
買戻し特約の定義
買戻し特約とは、不動産を売却した売主が、将来一定の条件で、その不動産を買い戻せる権利を確保しておくための特別な約束のことです。
この権利を行使すれば、一度手放した不動産の所有権を、再び自分の元へ取り戻せるようになります。
ただし、この特約は不動産の売買契約に付随するため、必ず売買契約と同時に結ばなければならないというルールがあります。
万が一、売買契約が成立した後に買い戻しの約束を交わしても、「再売買の予約」として扱われることになるため注意しましょう。
契約書と登記の関係
買戻し特約を有効にするには、口約束ではなく、必ず売買契約書に特約条項として内容をはっきりと記載することが大切です。
契約書には、売主がいつまで買い戻しの権利を行使できるかという「買戻期間」や、その際に支払う金額である「買戻代金」などを定めます。
買戻代金は、原則として買主が支払った売買代金と契約費用の合計額とされています。
ただし、当事者同士の合意によって、別の金額を設定することも可能です。
また、民法第581条では、所有権の移転登記に付け加える「付記登記」として買戻し特約を登記することで、第三者にもその権利を主張できると定めています。
万が一、この登記を怠ると、買主が第三者に売却して登記を済ませた場合、元の売主は買い戻せなくなってしまうため、注意が必要です。
なお、2023年(令和5年)4月1日からは、買戻し特約の期間(最長10年)経過後、所有者単独で登記を抹消できる制度改正がおこなわれています。
これにより、従来よりも簡便に権利関係を整理できるようになりました。
特約が発動するケース
実際に買戻し特約がどのような場面で利用され、権利が発動するのでしょうか。
たとえば、「土地の引き渡しから3年以内に住宅を建築しない場合、市は売買代金相当額で土地を買い戻す」といったケースがあります。
この場合、買主が期間内に住宅を建てなければ、地方公共団体は買戻権を行使してその土地を取り戻すことになるのです。
また、個人間においては、将来資金に余裕ができれば買い戻したいといった場合に活用されることがあります。
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買戻し特約を結ぶ際の注意点

前章で買戻し特約の仕組みを述べましたが、契約を結ぶ前に、リスクや注意点も知っておく必要があります。
ここでは、買戻し特約を結ぶ際の、注意点とリスクについて解説いたします。
買戻し期間は最長10年
民法第580条第1項において、買戻しの期間は10年を超えることができないと定められています。
万が一、当事者間の合意で15年や20年など10年を超える期間を定めても、その約束は無効にはならず、法律によって自動的に10年へ短縮されるのです。
また、契約時に期間をとくに定めなかった場合は、5年以内に買戻権を行使しなければならないとされています。
一度定めた期間は、後から延長できず、売主は定められた期間内に必ず権利を行使しなければなりません。
期間が1日でも過ぎれば、買い戻す権利は完全に消滅してしまうため、期間の管理は重要といえます。
所有権移転後の責任と費用
買戻し特約付きの売買契約が成立した後は、その不動産の所有者は買主となるため、所有する責任や費用は、すべて買主が負担することになります。
具体的に、毎年課税される固定資産税や都市計画税などの税金は、その年の1月1日時点の所有者である買主が納めることになります。
くわえて、建物の修繕費やマンションの管理費といった、不動産の維持管理に必要な費用も買主の負担となるでしょう。
その一方で、買主は所有者としてその不動産を自由に使用したり、第三者に賃貸して家賃収入を得たりすることが可能となります。
ただし、買主が不動産に改良をくわえた場合、買戻権が実行された際に、売主に対して価値が増加した分の費用の支払いを請求できる可能性があります。
権利行使が困難なケース
権利行使が困難なケースとして、買戻期間の満了が近づいているのに、買主の住所が変わっていて連絡が取れない、といった事態が考えられます。
こうした場合に備え、裁判所に申し立てて、意思表示が相手に伝わったと見なす法的な手続きもありますが、時間も費用もかかってしまうでしょう。
また、当事者のどちらかに相続が発生した場合も、権利関係が複雑になり、権利行使の障害となることがあります。
さらに、相続人のうち一人でも協力が得られないと手続きが滞り、話がこじれてしまうかもしれません。
他にも、買主が買戻しに応じず、登記手続きに協力してくれないというケースも想定されます。
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買戻し特約を付けるメリット

ここまで買戻し特約の仕組みと注意点を解説しましたが、メリットについてもおさえておきましょう。
最後に、買戻し特約を付けるメリットと、活用シーンについて解説していきます。
売主にとっての保険
やむを得ない事情で不動産を手放す際、将来それを取り戻せる可能性を残せる「保険」として機能する点が、売主にとってのメリットといえます。
とくに、先祖から代々受け継いできた土地や愛着のある家など、金銭的価値だけでは測れない不動産の場合、心理的な支えとして買戻し特約が機能します。
また、買戻権は市場価格の変動に関わらず、仮に周辺の再開発で価格が高騰しても、あらかじめ決めた金額で一方的に買い戻せるという権利です。
この仕組みは、将来の不動産価格が上昇するリスクに対する有効な備えとなり、契約で定めた金額での買戻しは、売主の権利を保護してくれます。
資金調達としての活用
買戻し特約なら、不動産をいったん売却して現金化し、資金に余裕ができたタイミングで買い戻す道を確保することができます。
この方法は、近年注目されているリースバックと似ていますが、買い戻す際の価格に違いがあります。
リースバックでの再購入価格は、将来の市場価格を基に決められることが多いため、価格が高騰するリスクがあるでしょう。
一方で、買戻し特約は原則として当初の売買代金で買い戻せるため、費用面の見通しを立てやすい点が強みです。
さらに「売渡担保」としても機能し、返済期限内に借入金を返せば不動産を取り戻すことが可能です。
転売防止の効果
買戻し特約は、個人間だけでなく地方公共団体等も活用し、相場より安く分譲した土地の投機目的での短期高額転売を防ぐ、という側面を持っています。
たとえば、「所有権移転後10年間は承認なく譲渡した場合に市が買い戻す」といった条項を設け、土地価格の安定化を図る効果が期待されています。
また、土地の有効活用を促す目的でも利用されており、分譲地に「取得後3年以内に住宅を建築すること」といった建築義務を課すこともあるのです。
万が一、正当な理由なくこの義務が守られない場合、公的機関が土地を買い戻せるようにしておくことで、計画的なまちづくりを推進しています。
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まとめ
買戻し特約とは、売主が将来不動産を買い戻せる権利のことで、売買契約と同時に登記することで法的な効力を持ち、転売防止目的などで利用されます。
契約時は最長10年という期間の制限や、所有権移転後の費用は買主負担となる点、連絡が取れず権利行使が困難になるリスクなどに注意が必要です。
売主には、将来資産を取り戻せる保険や資金調達の手段として機能し、公的機関が土地の転売防止に活用するなど、社会的な利益に貢献する側面もあります。
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