住宅ローンを繰り上げ返済する効果的なタイミングは?注意点も解説
住宅ローンの返済期間は20年、30年以上もの長期間にわたるので、できる限り早く完済したいと考えている方は多いと思います。
繰り上げ返済をおこなうことで、住宅ローン残高を減らし、支払利息を軽減することができます。
この記事では、住宅ローンの繰り上げ返済の種類や、その効果的なタイミング、注意点について詳しく解説します。
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住宅ローンの繰り上げ返済とは?
住宅ローンの繰り上げ返済とは、通常の返済スケジュールとは別に、まとまった金額を返済する方法です。
この方法では、支払いは全て元本に充当されるため、利息の支払いが減少し、総支払額を効率的に削減できます。
繰り上げ返済は基本的にいつでも可能ですが、1回あたりの最低返済額や手数料は金融機関やローンの種類によって異なります。
繰り上げ返済の種類
繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つの方法があります。
それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に合った方法を選ぶことが重要です。
とくに、借入後早期に繰り上げ返済を行うことで、利息の軽減効果が高くなります。
同じ金額を返済しても、借入から10年後に繰り上げ返済をした場合と20年後に繰り上げ返済をした場合では、前者の方が総返済額が少なくなります。
期間短縮型とは
この方法では、毎月の返済額は変えずに返済期間を短縮します。
返済期間を短縮することで、支払利息が減少するのがメリットです。
元利均等返済でローンを組んでいる場合、借入当初は利息が多く、返済が進むにつれて利息部分が減少します。
したがって、繰り上げ返済を早期におこなうことで、より多くの利息を削減できます。
この方法は、定年退職までに住宅ローンを完済したい方や、早期にローン返済を終えたい方に適しています。
返済額軽減型とは
この方法では、返済期間を変えずに毎月の返済額を減らします。
月々の支払いが減るため、家計の負担が軽減されるのが特徴です。
繰り上げ返済によって一時的に大きな支出が発生するものの、毎月の支出を抑えられることで生活が楽になります。
ただし、返済額軽減型は期間短縮型に比べて利息の軽減効果が低く、完済までの総額が多くなりやすいのがデメリットです。
この方法は、子どもの教育費や親の介護費などで毎月の支出が圧迫されている方や、収入が減少している方に適しています。
期間短縮型と返済額軽減型どちらが良い?
期間短縮型と返済額軽減型のどちらが良いかは、一概に決めることはできません。
それぞれの方法には異なる利点があり、目的に応じて使い分けることが重要です。
どちらの方法も選べる金融機関であれば、両方の繰り上げ返済を組み合わせて利用することで、返済期間の短縮と毎月の返済額の軽減の両方を実現することができます。
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住宅ローンの繰り上げ返済はタイミングが早いほど効果的
繰り上げ返済は早期におこなうほど、総支払額の軽減効果が大きいです。
保証会社に保証料を支払っている場合、繰り上げ返済によって保証料の一部が戻ることがあります。
とくに、早期に繰り上げ返済を行うほど、戻ってくる保証料の額が大きくなる傾向があります。
以下は、「元利均等返済、借入額3,000万円、返済期間35年、借入金利年1%」というケースで、100万円を使った期間短縮型の一部繰り上げ返済をおこなった場合の利息軽減効果と短縮される返済期間です。
繰り上げ返済のタイミングを、借入当初から1年後、5年後、10年後のケースで比較しています。
1年後
●支払い利息軽減額:約39万円
●短縮される返済期間:1年4ヵ月
5年後
●支払い利息軽減額:約34万円
●短縮される返済期間:1年3ヵ月
10年後
●支払い利息軽減額:約27万円
●短縮される返済期間:1年2ヵ月
このように、繰り上げ返済は早期に実施するほど効果的であることがわかります。
これは返済額軽減型や元金均等返済の場合でも、早いタイミングの一部繰り上げ返済が有利である点は共通しています。
繰り上げ返済の目的を明確にする
繰り上げ返済には利息軽減の効果があることが分かりましたが、「手元の現金が減ることが不安」や「期間短縮型と返済額軽減型のどちらを選べば良いかわからない」といった悩みを抱えることもあります。
このような悩みを解消するためには、まず繰り上げ返済の目的を考え、自分の状況や目的に応じて最適な方法を選び、効果的に利用することが重要です。
繰り上げ返済の目的として考えられる具体例には、以下のようなものがあります。
定年退職までにローンを完済したい
この場合、「期間短縮型」の繰り上げ返済が適しています。
少額でも定期的に繰り上げ返済をおこなうことで、徐々に返済期間が短縮され、定年退職までにローンを完済する目標が達成しやすくなります。
収入が減少するため、毎月の返済額を軽減したい
転職や働き方の変更で収入が減少する見込みがある場合は、「返済額軽減型」の繰り上げ返済が効果的です。
この方法により、月々の返済額を減らし、家計の負担を軽くすることができます。
金利の上昇による返済額の増加を抑えたい
金利が上昇する可能性がある場合は、「期間短縮型」の繰り上げ返済が有効です。
この方法では、元金が減少し返済期間も短くなるため、金利上昇による総返済額の増加幅を抑えることができます。
一方、毎月の返済額を引き続き低く保ちたい場合は、「返済額軽減型」が適しています。
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住宅ローンの繰り上げ返済を行うときの注意点
住宅ローンの繰り上げ返済を行う際には、以下の注意点を考慮することが重要です。
注意点①住宅ローン控除の期間中の繰り上げ返済タイミング
繰り上げ返済をするタイミングによって、住宅ローン控除の恩恵が異なる場合があります。
とくに、住宅ローン控除を受けている場合、返済を12月に実行するよりも翌年の1月におこなう方が有利です。
例えば、2016年に住宅ローンを組んで、10年間の住宅ローン控除を受けているとします。
年末の住宅ローン残高が約3,578万円で、控除率が1.0%の場合、最大で約36万円の税金が戻ってきます。
しかし、12月に100万円の繰り上げ返済をおこなうと、年末の住宅ローン残高が約3,478万円に減少し、控除額が約35万円に減少します。
この場合、控除額が約1万円減少します。
一方、1月に繰り上げ返済をおこなった場合、年末の住宅ローン残高が変わらないため、控除額は最大で約36万円のままとなります。
繰り上げ返済の利息軽減効果は若干減少しますが、控除額の減少よりは少ないため、1月に繰り上げ返済をおこなう方が有利です。
ただし、余裕資金があり、夏のボーナスなどで繰り上げ返済が可能な場合、繰り上げ返済のタイミングを見極めることが重要です。
ボーナスの支給月に合わせて繰り上げ返済をおこなうことで、支払いの負担を調整するのが賢明でしょう。
注意点②ライフステージに応じた返済方法の選択
繰り上げ返済には、先述した「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。
期間短縮型は利息軽減効果が高いですが、ライフステージによっては返済額軽減型が適している場合もあります。
たとえば、子どもの進学や収入の変動がある場合、期間短縮型で返済額が多いと家計が圧迫されることがあります。
このようなタイミングでは、返済額軽減型を選び、毎月の返済額を抑えることで家計に余裕を持たせる方が有利です。
ライフステージに応じて、柔軟に2つの方法を使い分けることが重要です。
注意点③緊急資金の確保
繰り上げ返済をおこなうと、将来の利息軽減にはなりますが、その分手元の資金が減少します。
予期せぬ支出が発生した場合、繰り上げ返済した資金は戻せません。
子どもが小さい場合や転職・退職の可能性がある場合には、緊急時に備えて一定の資金を預貯金として確保しておくことが推奨されます。
また、教育資金などの重要なお金には手をつけず、余剰資金を繰り上げ返済に充てるのが賢明です。
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まとめ
住宅ローンの繰り上げ返済とは、利息を減らし、総支払額を削減できる方法です。
返済方法には「期間短縮型」と「返済額軽減型」があり、それぞれのメリットを理解して選びましょう。
繰り上げ返済を行うタイミングや目的に応じて最適な方法を選び、急な出費に対応できるだけの資金を残しておくことも大切です。
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