購入向けコラム

リノベーション前にチェック!抜ける柱と抜けない柱の特徴や見分け方を解説

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中古住宅のリノベーションをおこなう際は、柱に注意が必要です。
本記事では、リノベーション時に抜ける柱と抜けない柱の特徴、それぞれの柱の見分け方や抜けない柱があった場合の活用方法について解説します。
マイホーム購入後に、リフォーム・リノベーションを検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

リノベーション時に抜ける柱と抜けない柱の特徴

リノベーション時に抜ける柱と抜けない柱の特徴

リノベーションで間取り変更をしたいと思ったときに、柱が邪魔に感じることもあるでしょう。
しかし、建物を支える重要な柱については抜くことができないケースがあります。
以下では、リノベーションで抜ける柱と抜けない柱の特徴、リノベーションするうえで気をつけたいポイントをご紹介します。

抜ける柱の特徴

日本の木造住宅は、通常木造軸組工法(在来工法)で建てられ、管柱(くだばしら)、間柱(まばしら)、通し柱(とうしばしら)の3種類の柱が使用されています。
リノベーション時には、一部の管柱や間柱を取り除くことが可能です。
管柱は、2階以上の木造建築で使われる柱で、途中で中断されることがあります。
階ごとに区切られた構造部材のため、取り除く際には上部の梁や柱を補強する必要があります。
しかし、すべての管柱を取り除くことはできません。
一方で、間柱は柱と柱の間にある小柱であり、主に壁材の支えとして使用されています。
木材が比較的薄いため、間柱を取り除いても建物の耐震性には通常影響がありません。

抜けない柱の特徴

通し柱は、2階以上の木造建築において、土台から軒まで繋がり、建物の耐震性に重要な役割を果たす柱の一つです。
通し柱は、通常太い木材で作られ、家の四隅だけでなく他の場所にも配置されることがあります。
通し柱や管柱は建物の強度や構造に深く関わっているため、これらを取り除くことはリノベーションにおいては難しいです。
とくに通し柱の撤去は建物全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。
同様に、管柱も壁や床を支える重要な役割を果たしているため、通常は抜くことが難しいでしょう。

そのほかのポイント

リノベーションを計画する際、柱だけでなく変更できない部分も考慮することが重要です。
とくに、建物の強度や耐震性に影響を与える筋交いには注意が必要です。
筋交いは、柱と柱の間に斜めに取り付けられ、家の構造を支える一部となります。
また、建物を支える耐力壁も撤去が難しい部分です。
部屋の間仕切りとして使用される壁であれば、リノベーション時に取り除くことができます。
ただし、ツーバイフォー工法で建てられた木造住宅の場合、壁自体が建物の構造を支える重要な役割を果たしています。
ツーバイフォー工法は、木材のフレームに剛性の高い床版や壁版などを組み合わせた六面体構造(箱構造)で建築する方法であり、耐震性に優れています。
しかし、リノベーションで壁を取り除くことは難しく、新たなドアや窓を設ける工事も制限されることがあります。

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リノベーション時に抜ける柱と抜けない柱の見分け方

リノベーション時に抜ける柱と抜けない柱の見分け方

リノベーションを考える時、見た目だけでは抜ける柱か抜けない柱かを判断するのは難しいです。
そのため、事前に見分け方を理解しておくことが大切です。
見分け方は、以下の2とおりあります。

①図面で確認する方法

まずは、家の図面を確認しましょう。
通常、図面は「設計図書」を指し、平面の間取り図だけでなく、立面図や断面図、給排水設備図など、建築確認申請や売買契約に必要な書類です。
中古住宅の図面は、購入時に売主から提供されます。
図面には家の柱の配置が示され、柱の種類によって異なる記号が使われます。
管柱は四角のなかに「X」のマークが、通し柱は管柱の「X」マークを丸で囲んだ形が目印です。
間柱は四角のなかに、斜め線が1本引かれています。
図面を確認すると、これらの記号から柱の位置と種類がわかり、リノベーション計画に役立ちます。
また、耐力壁や筋交いなどの重要な構造部分も図面で確認することが可能です。
通常、図面には凡例が掲載されているので、見分け方の参考にすると良いでしょう。

②リノベーション会社に相談する方法

購入する中古住宅には、図面が存在しない場合も考えられます。
手元に図面がないか、図面だけでは判断が難しい場合は、購入後にリノベーション会社に相談することがおすすめです。
リノベーション会社に依頼して、現地の間取りを実測し、現況の図面を作成する方法もあります。
リノベーションの専門家は、壁量計算などの専門的な知識を活かして、どの柱を撤去できるかを判断してくれます。
とくに古い物件や以前にリノベーションがおこなわれている場合は、現状が図面と異なることが多いため、専門家の意見を聞くことが重要です。
ただし、柱を実際に取り除くことが可能かどうかは、解体作業を始めてみないと確定できない場合もあります。

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リノベーションで抜けない柱の活用方法とは?

リノベーションで抜けない柱の活用方法とは?

リノベーションでは、取り除けない柱をどう扱うかが、空間の印象を大きく左右します。
最後に、抜けない柱を上手く活用し、より魅力的な住空間を作るためのアイデアを解説します。

活用方法①柱をデザイン要素として利用する

取り除けない柱がある場合、その柱を部屋のデザイン要素として積極的に取り入れることで、空間に個性を加えることができます。
柱には装飾的なタイルやペイントを施すなどのアプローチが考えられます。
特色あるタイルを柱に貼ることで、アートのような雰囲気を演出できます。
同様に、柱を部屋のアクセントカラーにペイントすると、空間が華やかになります。
異なる素材如何によって柱に木材やレンガ、金属などを使用することで、温かみやモダンさ、工業的な雰囲気など、さまざまなテーマを持たせることも可能です。

活用方法②ペット用のスペースにする

猫を飼っている家庭では、柱をキャットウォークやキャットタワーにすることで、ペットが遊びや休憩を楽しむ場所を提供すると同時に、それがインテリアの一部としても魅力的になります。
たとえば、天井まで伸びる柱を利用して、猫が登れる棚やステップ、ぶら下がるおもちゃなどを取り付けると、猫専用の遊び場を作り出すことができます。
また、キャットタワーがあれば、猫の運動不足解消にもつながるでしょう。

活用方法③造作収納を設ける

柱の周りに設計されたオーダーメイドの棚やキャビネットは、収納スペースだけでなくデザイン要素としても機能します。
柱と柱の間や柱の周囲に棚を設けることで、本や飾り物、日用品などを効果的に収納できるスペースが生まれます。
収納部分に扉を付けると、見た目をすっきりさせることも可能です。
これらの工夫は、空間の仕切りとしても活用できます。
造作収納を半透明の素材やオープン棚として設計すれば、空間を軽やかに仕切ることができます。
このアプローチにより、プライバシーを保ちつつ、開放感のあるレイアウトを実現できます。
これらのアイデアを取り入れることで、リノベーションで避けられない柱が住空間の魅力的な要素に変化します。
柱を単なる障害物と見なすのではなく、空間デザインの一部として活用し、より豊かで機能的な住空間を創り上げましょう。

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まとめ

リノベーションの際に抜ける柱の特徴は管柱や間柱で、抜けない柱の特徴は通し柱や構造上重要な管柱です。
抜ける柱と抜けない柱の見分け方は、図面で確認する方法とリノベーション会社に相談する方法があります。
抜けない柱の活用方法は、インテリアのアクセントやキャットウォーク、造作収納などです。


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