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田の字マンションとは?メリット・デメリットや選ぶときのポイントをご紹介

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マンションを選ぶときは、値段や立地もさることながら、間取りも気になるところでしょう。
マンションの間取りは物件によって特徴があり、なかでも田の字型は広く普及している間取です。
本記事では、田の字マンションとはなにか、メリット・デメリットや選ぶときのポイントをご紹介します。

田の字マンションとは?

田の字マンションとは?

「田の字マンション」とは、その名の通り、漢字の「田」の字の形をした間取りのマンションを指します。
具体的には、玄関から真っ直ぐに延びる廊下を中心に、上下左右に部屋が配置されている間取りのことです。
田の字型の間取りのマンションは、空間を効率的に利用できるため、日本で広く普及しています。
田の字マンションは、水回り(キッチン・浴室・トイレ)が中央に配置されるため、配管の距離が短くなり、水回りのトラブルが少なくなる点が特徴的です。
なお、玄関を開けたときに両脇に位置する部屋は書斎や寝室として、奥にある2つの部屋はダイニングキッチンとリビングスペースとして利用されるケースが多く見られます。

田の字マンションの歴史

1970年代、日本ではマンションが急速に普及しましたが、それに伴い様々な建築上の問題が浮上しました。
この問題を解消するためにできたのが、田の字型の間取りをしたマンションです。
田の字マンションは、建築コストの削減と住みやすさを両立できます。
統一された間取りにより、建築の効率が上がり、コストを抑えることができるのです。
そして現在は、ファミリー向けのマンションに採用されることが多い間取りとなっています。

そのほかの間取りとは

田の字以外にも、以下のような間取りのマンションが存在します。

●センターイン
●ワイドスパン


センターイン型は、玄関が中央に配置され、その周りに部屋が配置される間取りです。
センターイン型の間取りは、家族の共有スペースとプライベートスペースを明確に分けられ、家族のライフスタイルに合わせた空間を提供することができます。
ワイドスパン型は、バルコニー側が広く取られる間取りのことです。
バルコニー側の窓は通常の間取りよりも大きいため、採光と開放感が得られますが、バルコニーに面する部屋同士のプライベート性が低下するデメリットがあります。
そのため、ワイドスパン型の間取りのマンションは、採光と開放感を重視する方に向いている間取りです。

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田の字マンションに住むメリット・デメリットとは?

田の字マンションに住むメリット・デメリットとは?

では実際に、田の字マンションに住むと、どんなメリット・デメリットがあるのかご紹介します。

メリット

田の字マンションは、画一的な設計で建築コストを抑えられるため、ほかの間取りデザインのマンションにくらべて販売価格が低い傾向にある点がメリットです。
また、物件数も多いため、田の字マンションに絞って物件を探しても、選択の幅が広がります。
水回りのトラブルが少ない点もメリットです。
田の字型の間取りは、前述のとおり水回りの設備が中央に集まっているため、配管の距離が短く、トラブルになりにくい面があります。
さらに、田の字マンションは明るく風とおしの良い部屋が多い点もメリットです。
田の字型の間取りは、玄関側とベランダ側の部屋が外に面しているため、窓が多く、自然光が入りやすい傾向にあります。
部屋の独立性が高い点もメリットです。
中央の廊下によって部屋が隔てられているため、各部屋を独立した空間として利用できます。

デメリット

田の字マンションのデメリットは、プライバシー性が低い点です。
共用廊下に面した部屋は、窓の外の通行人からの視線や騒音が気になりやすくなります。
プライバシーが気になる場合は、ブラインドなどを利用すると良いでしょう。
また、マンションによっては、廊下の面積が広いため、部屋のスペースが狭まり、専有面積が広くても狭く感じやすい点もデメリットです。
そのため、田の字マンションを購入するときは、物件情報だけでなく、実際に内見で、どのくらいの広さがあるか確認することをおすすめします。
家族のコミュニケーションが減りやすい点もデメリットです。
田の字型の間取りは、各部屋の独立性が高いため、家族内の交流が少なくなる可能性があります。
田の字マンションは、建築コストを抑えるためにエレベーターや階段の数が限られることもあるでしょう。
戸数の割にエレベーターや階段の数が少ないと、混雑しやすくなるため、注意が必要です。
ただし、エレベーターはメンテナンスコストがかかるため、少なければ管理費や修繕積立金を抑えられるメリットもあります。

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田の字マンションを選ぶときのポイントとは?

田の字マンションを選ぶときのポイントとは?

田の字マンションは、効率的な設計が特徴で、多くのマンションが田の字型の間取りを採用しています。
そのため、選択肢が豊富ですが、選ぶ際のポイントを理解しておくと、より適切な物件選びが可能となるでしょう。
田の字マンションを選ぶときのポイントは、以下のとおりです。

①採光の確認

日当たりは、部屋の温度や湿度を調整する要因として非常に重要です。
良好な日当たりの部屋は、冬場の暖房コストの削減や、健康的な生活環境につながります。
日当たりの良い部屋の選び方のポイントは、マンション内での部屋の位置です。
南向きの部屋は日照時間が長く、角部屋は2面が外壁のため窓が多く設置できます。
また、高層階は近隣の建物に遮られることがないため、日光が入りやすいです。
ただし、注意点として、物件の周辺環境が挙げられます。
物件を選ぶ際は、周辺環境もよく確認し、将来的に高い建物が建つ可能性がある場所は避けると良いでしょう。

②通気性の確認

通気性が良いと、室内の空気を新鮮に保ち、カビやダニの発生リスクが低減されます。
通気性の良い部屋のポイントは、角部屋を選ぶことです。
角部屋は2面が外壁となるためほかの部屋よりも窓が多く、十分な換気が期待できます。
また、角部屋はエレベーターから離れており、家の前の共用廊下をとおる方も少ないため、外部の騒音や人の往来の影響を受けにくいです。
そのため、共用廊下側にある部屋を利用するときも、プライバシーが守られます。

③部屋の形状や仕切りの確認

マンションの間取りは、柱や梁の位置の影響を大きく受けます。
たとえば、部屋の中心や要所に柱や梁があると、家具の配置や部屋の有効利用が難しくなる可能性が高いです。
場合によっては、柱や梁が邪魔になってデッドスペースが生まれることもあります。
仕切りの有無も選び方のポイントです。
部屋の仕切りが取り外し可能な場合、部屋の使い方を柔軟に変更できるメリットがあります。
たとえば、リビングと隣接する部屋の仕切りを取り外し一体化すれば、家族が共にくつろげる広々とした空間を作ることができます。
仕切りの可動性は、家族の成長や生活スタイルの変化に合わせて部屋のレイアウトを変更する際に有効です。
最後に、同じ間取りのマンションでも、部屋の位置や階数、周辺環境によっては住み心地が大きく変わることがあります。
そのため、自分や家族の生活スタイル、将来のライフプランをしっかりと考慮し、物件選びをおこなうことが大切です。

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まとめ

田の字マンションとは、間取りが田の字の形をしたマンションのことです。
販売価格が安くて物件数が多いなどのメリットがあり、家族間のコミュニケーションが減りやすいデメリットがあります。
田の字マンションの選び方のポイントは、採光性と通気性、柱や梁の位置や仕切りの可動性を確認することです。


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