売却向けコラム

外国人でも日本の不動産を売却できる?必要書類や税金を解説

外国人でも日本の不動産を売却できる?必要書類や税金を解説の画像

日本の不動産を売却する際は、所有者が外国人でも問題ないか気になるところでしょう。
本記事では、外国人が日本の不動産を売却できるか、売却時の必要書類や税金について解説します。
適切な取引手続きおよび留意点に関して事前に把握し、トラブルのないスムーズな取引を進めましょう。

外国人でも日本の不動産を売却できる?

外国人でも日本の不動産を売却できる?

結論から申し上げると、外国人でも日本の不動産を売却することはできます。
ただし、日本人同士の取引とは少し異なる点もあります。
外国人の方が、日本の不動産を売却する際のポイントは、以下の3つです。

①取引方法

日本の不動産を売買する際は、基本的に売主や買主が外国人でもとくに問題はありません。
ただし、手続きは日本国内で進めるため、現在外国にいる場合は来日するか代理人に依頼する必要性が出てくるでしょう。
なお、不動産を売却するときの流れは、以下のとおりです。

●不動産会社に査定を依頼
●不動産会社と媒介契約を締結
●売却する物件の広告を出し、買主を募る
●買主と不動産の売買契約を締結
●売買代金の決済・物件の引渡し


不動産売買の契約は、郵送やオンライン、代理人を通して手続きが可能です。

②税金

日本で不動産を売却したときにかかる税金は、外国人であっても日本の法律が適用されます。
課される税金は、売却利益に応じて所得税と住民税、復興特別所得税の3つです。
ただし、日本に住んでいない非居住者の場合、住民税は課されません。
非居住者とは、日本に住所がないまたは1年以上継続して日本に住んでいない方のことです。

③所有権移転登記

日本の不動産の名義は、法務局の不動産登記簿で管理しています。
不動産を売却した際は、売主から買主へ名義を変更する「所有権移転登記」の申請が必要です。
所有権移転登記は、自分で申請することもできますが、手続きが複雑なため、司法書士に依頼するのが一般的です。
司法書士は、登記だけでなく不動産売買契約や物件の引渡しについての代理業務もおこなえます。
現在外国に住んでいて日本に出向くことができない方は、司法書士に代理人になってもらうと、売買契約から登記までスムーズに取引を進められます。
ただし、司法書士に依頼すると報酬費がかかるため、予算を見積もってから判断しましょう。

外国人が日本の不動産を売却するときの必要書類とは?

外国人が日本の不動産を売却するときの必要書類とは?

日本で不動産を売却するときの基本的な必要書類は、以下の5つです。

●身分証明書
●権利証または登記識別情報通知書
●固定資産評価証明書
●住民票
●印鑑登録証明書


身分証明書は、パスポートや日本の運転免許証などになり、売主本人で間違いないかを確認するために必要です。
権利証または登記識別情報通知書は、不動産の名義を変更する所有権移転登記の手続きの際に必要となります。
固定資産評価証明書は、所有権移転登記の際にかかる登録免許税を計算する際に用います。
外国人の場合、住民票や印鑑登録証明書については、発行できなかった場合に代替書類が必要です。

住民票が発行できなかった場合

日本の住民票は、基本的に中長期在留者でないと発行できません。
中長期在留者とは、短期滞在・外交・公用以外の目的で来日し、3か月以上の在留資格をもつ外国人のことです。
ただし、中長期在留者でなくても、特別永住者など、一定の要件を満たした在留者の場合は住民票が発行されることもあります。
在留期間が3か月未満の外国人や日本に住んでいない外国人の場合は、住民票の代わりとなる代替書類が必要です。
日本国内に住んでいる場合の代替書類は、以下のとおりです。

●売主の国の公証人の認証がある住所に関する宣誓供述書
●日本にある大使館領事部で認証された宣誓供述書
●官公署で発行する住所を証する書面(住民登録証明書)


日本国外に住んでいる場合の代替書類は、以下のとおりです。

●売主の国の公証人の認証がある住所に関する宣誓供述書
●日本にある大使館領事部で認証された宣誓供述書
●印鑑登録証明書が発行できなかった場合


住民票が発行できなかった場合は、印鑑登録証明書も発行できません。
印鑑登録証明書が発行できる外国人の条件は、前述の住民票の場合と同様です。
日本国内に住んでいる外国人については、以下が印鑑登録証明書の代替書類となります。

●売主の国の在日大使館または本国の官憲によるサイン証明書
●登記委任状に売主の国の在日大使館の認証を受けた書類


登記委任状は司法書士に作成してもらいましょう。
日本国外に住んでいる場合は、以下が代替書類となります。

●宣誓供述書を現地公証人に署名の認証をしてもらった書類
●本国の官憲が発行するサイン証明書


宣誓供述書とは、作成者の署名や押印がなされた私文書であり、公証人の前で記載内容が真実であることを宣誓後、署名・押印し、公証人からの承認を得た文書です。

外国人が不動産を売却する際にかかる税金とは?

外国人が不動産を売却する際にかかる税金とは?

前章でも述べたとおり、日本で不動産を売却した際は、外国人であっても日本に税金を納める必要があります。
かかる税金の種類と納税方法は、以下のとおりです。

税金の種類

日本で不動産を売却した際にかかる費用は、以下の3種類です。

●譲渡所得税(所得税・復興特別所得税・住民税):売却価格-(取得費+譲渡費用)×税率
●印紙税:売買代金に応じて20万円~48万円(軽減税率の場合)
●登録免許税:物件の数×1,000円(抵当権抹消登記の場合)


譲渡所得税は、不動産を売却した際に売却利益が出た場合に課される税金です。
税率は不動産の所有期間に応じて異なり、5年を超える場合は20.315%、5年以下の場合は39.63%になります。
なお、日本に住んでいない場合は、住民税はかかりません。
印紙税は、不動産の売買契約時にかかり、2024年の3月31日までの取引の場合は、軽減税率が適用されます。
抵当権抹消登記の登録免許税は、売却した不動産に抵当権が設定されている場合にかかり、不動産1個につき1,000円です。
所有権移転登記の登録免許税については税額が異なり、買主が負担するのが一般的です。

日本に住んでいる場合の納税方法

日本に住んでいる場合、譲渡所得税については、売却した年の翌年に確定申告が必要です。
確定申告の時期は、2月16日~3月15日になります。
必要書類を取得し、税務署の窓口や国税庁のホームページから申告しましょう。

日本に住んでいない場合の納税方法

日本に住んでいない場合でも、売却利益が発生した場合は確定申告が必要です。
来日がむずかしい場合は、代理人に依頼しておこなうと良いでしょう。
また、売主が外国人で日本に住んでいない場合は、申告漏れを防ぐために買主が売却代金から差し引いて源泉徴収税を納めます。
源泉徴収税は「不動産の売却価格×10.21%相当額」です。
そのため、売主が受け取る売却代金は、源泉徴収税が差し引かれた価格となります。
ただし、次の条件に当てはまる場合は、源泉徴収はおこなわれません。

●不動産の売却価格が1億円以下
●個人の買主で自分または親族の住まいとして不動産を購入した場合


上記に当てはまらず売却代金から源泉徴収税が差し引かれた場合でも、売却利益がなければ、確定申告をおこなうことで払いすぎた税金が還付されます。

まとめ

外国人でも日本の不動産売却はできるが、日本に住んでいない場合は代理人が必要となることがあります。
不動産売却時の必要書類に当たる住民票と印鑑登録証明書を発行できなかった場合は、代替書類を用意しましょう。
また、不動産を売却して売却利益が発生した場合は、売却した年の翌年に日本の税務署で確定申告が必要です。


前の記事を読む 次の記事を読む

関連記事

不動産売却の広告について!費用負担の原則も解説の画像

売りたい

不動産売却の広告について!費用負担の原則も解説

不動産の売却を検討する中で、物件をアピールするためにどのような広告が使われ、その費用は誰が負担するのかと疑問に感じていませんか。広告の種類や費用負担のルールをあらかじめ理解しておかないと、効果的な集客ができないばかりか、後になって想定外の費用を請求されるトラブルに発展する恐れがあります。本記事では、不動産売却で活用される主な広告媒体の特徴をはじめ、宅建業法に基づく費用の負担構造や、例外的に売主が広告費を支払うケースについて解説します。無駄な出費を抑えつつ、納得のいくスムーズな不動産売却を成功させたい方は、ぜひご参考になさってくださいね。▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼売却査定フォ...

未成年で不動産売却はできる?具体的な手続き方法も解説の画像

売りたい

未成年で不動産売却はできる?具体的な手続き方法も解説

未成年名義となっている不動産の売却方法について、どのようにおこなうべきかお困りではありませんか。未成年の場合は法律上単独での契約が難しく、どのような手続きや書類が必要になるのか分からず不安に感じてしまうことも多いですよね。本記事では、未成年者の不動産売却を可能にする具体的な手続きの方法から、事前に知っておくべき重要な注意点までを徹底解説します。お子さまが所有する不動産の売却を安全かつスムーズに進めたいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼売却査定フォームへ進む 目次 ▼ 未成年の不動産売却は可能?▼ 未成年が不動産を売却する際の3つの方...

老朽危険家屋解体撤去補助金制度とは?対象の条件についても解説の画像

売りたい

老朽危険家屋解体撤去補助金制度とは?対象の条件についても解説

長年使わなくなった空き家の管理に悩み、高額な解体費用の負担にお困りではありませんか。老朽化した建物をそのまま放置すると倒壊や近隣トラブルに発展するリスクが高まるため早めの対処が必要ですが、いざ解体するとなれば金銭的なハードルが高いのが現実です。本記事では、解体にかかる費用負担を大幅に軽減できる「老朽危険家屋解体撤去補助金制度」とはどのような仕組みなのか、具体的な支給条件やその他に住居解体へ使える支援制度について解説します。空き家の解体を検討しつつも費用面への不安からなかなか一歩を踏み出せないという方は、ぜひご参考になさってくださいね。▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼売却査定フォー...

相続人がいない土地の手続について!国庫帰属の流れも解説の画像

売りたい

相続人がいない土地の手続について!国庫帰属の流れも解説

将来、ご自身が所有している土地を受け継いでくれる相続人がいないとお悩みではありませんか。具体的な対策をせずにそのまま放置してしまうと、土地が荒廃して近隣トラブルを引き起こすだけでなく、残された財産の処分に関する手続きが複雑化してしまうリスクがあります。本記事では、本当に相続人がいないかを見極める方法や、土地が国庫へ帰属するまでのプロセス、さらに生前に対処するための方法について解説します。ご自身の不動産を適切に整理し、将来に対する漠然とした不安を解消したいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼売却査定フォームへ進む 目次 ▼ 相続人がいな...