売却向けコラム

傾いた家は売却可能?傾きの許容範囲と売却価格への影響や売却方法を解説

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傾いた家は売却可能?傾きの許容範囲と売却価格への影響や売却方法を解説

老朽化や地震による地盤沈下などで傾いてしまった家は、売却できるのか心配ですよね。
そこで今回は、売却する際に家の傾きはどこまでが許容範囲となるか、売却価格への影響や売却方法について解説します。
傾いた家の売却にお困りの方は、ぜひ参考にご一読ください。

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傾いた家は売却できる?傾きの許容範囲とは?

傾いた家は売却できる?傾きの許容範囲とは?

購入当時は水平だった家も、さまざまな要因で傾いてしまうことがあります。
たとえば、地震の揺れで家が傾いたり、液状化現象で地盤が緩んで傾いたりすることがあります。
豪雪地帯の場合は、屋根や建物の上に積もった雪の重みで家が傾くこともあるでしょう。
傾いた家でも購入したい買主がいれば売却は可能です。
しかし、家の傾きは瑕疵(かし)に当たる可能性があり、契約時に説明がないと賠償責任を問われる可能性があるため、注意が必要です。
瑕疵とは、傷や欠点のことを指し、不動産売却においては本来備わっているはずの機能や性能が欠けていたり、品質や状態に問題があったりすることを指します。

傾きの許容範囲とは

家の傾きの許容範囲は、法律で明確に決まっているわけではありません。
とは言え、ある程度基準がないとどこから瑕疵になるのかわからないですよね。
そこで参考となるのが、国土交通省が定めた「住宅品質確保促進法」です。
住宅品質確保促進法は、買主が良質な住宅を安心して選べるように、住宅性能の表示や新築住宅の10年保証などを定めた法律です。
また、住宅専門の紛争処理体制も定めており、家の傾きについては以下の技術的基準が参考になります。

●傾きが3/1000未満:構造上主要な部分に瑕疵が存在する可能性は低い
●3/1000以上~6/1000未満:瑕疵が存在する可能性あり
●6/1000以上:瑕疵が存在する可能性が高い


なお、3/1000は床1mに対し3㎜の傾きがあるという意味になります。
家の傾きが3/1000未満であれば許容範囲と言えますが、あくまで技術的基準のため、参考程度に留めておいてください。

家の傾きを調べる方法とは

家の傾きを自分で調べる場合は、ホームセンターなどで購入できる「水平器」がおすすめです。
また近年は、スマートフォンのアプリでも傾きを計測できるようになりました。
より専門的に調べたい場合は、住宅の専門家が調査するホームインスペクション(住宅診断)がおすすめです。
費用はかかりますが、家の傾きだけでなく劣化状況や欠陥などを細かく調査してもらえます。
ホームインスペクションの費用相場は、基本調査が約5万円~6万円、機材を用いた詳細診断の場合は10万円以上かかるケースもあります。

傾いた家の売却価格はどのくらい下がる?

傾いた家の売却価格はどのくらい下がる?

傾いた家をそのままの状態で売却する場合、売却価格は基本的に相場より100万円~500万円ほど下がります。
家が傾いた状態のまま暮らすのはリスクがあるため、購入後に買主が負担する修繕費用を考慮する必要があるからです。
そのため、傾いた家の売却価格がどのくらい下がるかは、傾斜の程度や原因、場所などによって異なります。

床のみ傾いている場合

家屋本体は傾いていないが経年劣化などにより床のみが傾いている場合は、相場よりも売却価格が100万円ほど下がるでしょう。
柱や外壁は垂直なのに床のみが傾いている場合の原因は、床の構造材である土台や大引の腐食によるケースが多いからです。
とくに築年数の古い木造住宅の場合、床下に繁殖したシロアリの被害によって腐食が進むことがあります。
家の基礎自体に問題がなければ、補修工事にかかる費用も高額にはならないでしょう。

基礎が沈下している場合

家の基礎が不同沈下したことで傾いている場合は、相場よりも300万円ほど売却価格が下がります。
不同沈下(ふどうちんか)とは、地盤のゆがみと建物の重みにより建物が傾くことを指します。
不同沈下は軟弱地盤だったり、基礎の地盤固めが不均一だったりした場合に起こる現象で、傾きを修繕するには家屋を持ち上げた後に地盤改良工事が必要です。
そのため、工事費用は高額になり、地形や家の大きさによっては500万円以上かかることもあります。
家が基礎の不同沈下により傾いていると、ドアや窓の開け閉めがしづらかったり、隙間風や雨漏りの原因となったりするため、注意が必要です。

家が全体的に傾いている場合

地震や地盤沈下などで家が全体的に傾いている場合は、300万円~500万円ほど売却価格が下がるでしょう。
たとえば、地震の揺れで地盤が緩んで液状化した場合は、建物の比重のバランスが崩れ、全体的に大きく傾くことになります。
また、建物だけでなく自然災害などにより地面が歪んだり沈んだりしているケースもあります。
その場合、基礎の修繕だけでなく地盤改良工事も必要となるため、補修工事には高額な費用がかかるでしょう。
そのため、売却する際は相場よりも売り出し価格を下げないと買い手がつきにくいです。

傾いた家を売却する方法とは?

傾いた家を売却する方法とは?

傾いた家を売却するには、次の3つの方法があります。

①現状のまま売却する方法

傾いた状態のまま売却する場合は、前章でも述べたとおり買い手がつきにくいため、補修工事にかかる費用相当分を値下げして売り出す必要があります。
ただし、古家付き土地として売る場合は、建物の資産価値を考慮せずに古家の解体費用相当分を差し引いた土地の価格のみで売却可能です。
買主との売買契約の際はさらに値引き交渉される可能性もあるため、あらかじめ売り出し価格の根拠を明確にしておくと良いでしょう。
たとえば、施工会社から工事費用の見積もりを取っておき、その費用相当分だけ売却価格を値下げしていることを明らかにしておくと効果的です。
また、現状のまま売却する際は、家の傾き以外の欠陥もないかしっかりと確認して買主に告知する必要があります。
売却後に契約内容と一致しない欠陥が発覚した場合は「契約不適合責任」として損害賠償などを請求される可能性があるからです。
なお、不動産会社に買取を依頼した場合は、契約不適合責任を免責することができます。

②家の傾きを修繕して売却する方法

家の傾きを修繕して、工事費用を上乗せした価格で売却する方法もあります。
その場合は、工事にかかる費用や手間がかかるため、売却して元が取れるかしっかりと調査してからおこなうことをおすすめします。
補修工事をおこなったあとは、既存住宅状況調査(インスペクション)を実施して、工事後の住宅の状態をチェックしましょう。
インスペクションをおこなうことで、買主も安心して購入することができます。
また、売買契約後に買主から契約不適合責任を問われたときの保険として、既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入するのもおすすめです。

③更地にして売却する方法

家が全体的に傾いていて補修工事に高額な費用がかかったり、そのままの状態で売却するのが危険だったりする場合は、解体して更地で売却すると良いでしょう。
解体費用はかかりますが、相場は100万円~150万円ほどです。
更地は古家付き土地よりも買主の需要が高いため、売買契約も比較的成立しやすくなります。
ただし、家屋を解体することで住宅用地の特例による固定資産税の軽減措置は受けられなくなるため、解体後に年をまたいだ場合は固定資産税が上がります。

まとめ

傾いた家は売却可能ですが、買主に傾いている旨を告知しないと契約不適合責任として損害賠償等を請求される恐れがあります。
また、傾いた家の売却価格は、傾斜の程度や補修工事にかかる費用に応じて相場よりも100万円~500万円ほど下がります。
家の傾きが大きくて危険な場合は、更地にして売却するのがおすすめです。

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