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住宅ローンのフラット50とは?フラット35との違いやメリットを解説

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住宅ローンを利用してマイホームを購入するときは、どの住宅ローンにすれば良いか迷いますよね。
本記事では、住宅ローンのフラット50とはなにか、フラット35との違いやフラット50を利用するメリット・デメリットについて解説します。
マイホームの購入を検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

住宅ローンのフラット50とは?

住宅ローンのフラット50とは?

「フラット50」とは、最長50年間にわたって返済が可能な住宅ローンです。
環境に優しくて長持ちする家「長期優良住宅」の購入をサポートするために生まれました。

フラット50の特徴とは

通常の住宅ローンは最長35年ですが、フラット50は最長50年まで返済期間を延ばせる点が最大の特徴です。
ただし、フラット50を利用するためには購入する物件が「長期優良住宅」である必要があります。
長期優良住宅とは、優れた性能を持ち、環境に優しく、長く住み続けられる家のことです。
長期優良住宅と認められるためには、一定の基準を満たさなくてはなりません。

申し込むための条件

フラット50に申し込むためには、年齢が44歳未満でなければなりません。
ただし、親子リレー返済をおこなう場合は44歳以上でも可能です。
また、日本国籍の方または永住許可・特別永住者が対象です。
すべての借り入れに関して、年収と1年間の返済額のバランス(返済負担率)が一定の基準を満たすことも条件に挙げられています。
具体的には、年収400万円未満の場合はローンの返済負担率が30%以下、年収400万円以上の場合はローンの返済負担率が35%以下であることが条件です。
対象となる住宅は、長期優良住宅かつ住宅金融支援機構の技術基準に合致する家になります。
金利は基本的に全期間固定となり、返済方法は、元利均等または元金均等から選べます。
6か月ごとのボーナス払いも可能です。
その他のポイントとして、保証人は不要な点や火災保険の加入が必須なことが挙げられます。
団体信用生命保険に加入すると、万が一の場合も安心です。

フラット50に向いている方

フラット50は、借入期間が長期にわたるため、しっかりとした資金計画を立てたい方に向いています。
また、全期間固定金利となるため、金利の上昇によるリスクを避けたい方にもおすすめです。
長期優良住宅を購入する予定の方や、毎月の返済額をなるべく抑えたい方にも向いているでしょう。

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住宅ローンの「フラット50」と「フラット35」の違いとは?

住宅ローンの「フラット50」と「フラット35」の違いとは?

ここまでフラット50についてご説明しましたが、具体的にフラット35とは何が違うのかも気になりますよね。
フラット50とフラット35の主な違いは、以下のとおりです。

①申込時年齢・借入期間の違い

フラット35は、フラット50と比べて利用できる年齢が広いという特徴があります。
フラット50の場合、借入期間は36年以上50年以内で、満80歳までに完済する必要があります。
そのため、申込時の年齢は原則、44歳未満となるのです。
一方、フラット35はフラット50よりも借入期間が短いため、申込時の年齢は70歳未満と定められています。
ただし、親子リレー返済を利用する場合は子の年齢に合わせて返済期間を設定できるため、44歳以上でもフラット50を利用することが可能です。
親子リレー返済とはその名のとおり、親と子が1つの住宅ローンを申し込み、ある時期まで親が返済し、その後、リレー方式で子に返済をバトンタッチする返済方法を指します。

②対象住宅の違い

前章でも述べたとおり、フラット50を利用できるのは、住宅金融支援機構の技術基準に適合する長期優良住宅です。
一方で、フラット35の場合は、住宅金融支援機構の技術基準に適合することが条件で、長期優良住宅でなくても利用可能です。
住宅金融支援機構の技術基準に適合する住宅かどうかは、物件検査で調べることができます。
なお、住宅金融支援機構が定めた住宅の床面積の基準は以下のとおりです。

●一戸建て、連続建て住宅および重ね建て住宅の場合:70㎡以上
●マンションなどの共同建て住宅の場合:30㎡以上


店舗付き住宅などの併用住宅の場合は、店舗、事務所などの非住宅部分の床面積よりも住宅部分の床面積のほうが広いことが条件です。

③借入額の上限の違い

フラット50もフラット35も、借入額の範囲が100万円以上8,000万円以下(1万円単位)である点は同じです。
しかし、フラット35が上記の範囲内であれば建設費・購入費の同額まで借りられるのに対し、フラット50は建設費・購入費の9割以内と定められています。

④金利の違い

2023年10月時点のフラット35とフラット50の最頻金利は、以下のとおりです。

●フラット35:年1.880%(借入期間21年~35年)、年1.400%(借入期間15年~20年)
●フラット50:年2.180%(借入期間36年~50年)


フラット35の金利は借入額が建設費・購入費の9割を超えるかどうかで異なりますが、ここではフラット50と条件をそろえるために、9割以下の金利をご紹介しています。
フラット35はフラット50よりも返済期間が短いため、金利が低く設定されています。

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住宅ローンのフラット50を利用するメリット・デメリット

住宅ローンのフラット50を利用するメリット・デメリット

住宅ローンのフラット50を利用するメリット・デメリットは、以下のとおりです。

フラット50のメリット

フラット50は最大50年という長期間の返済期間を設定できるため、毎月の返済額を抑えることができるメリットがあります。
とくに初めて住宅を購入する方や若い方にとって、月々の住宅ローンの負担を軽減できるのは大きなメリットです。
長期優良住宅は長い期間にわたって安心して暮らせる点が魅力ですが、性能が高い建築資材を使用しているため、一般的な住宅よりも高価になりがちです。
フラット50は月々の返済額を抑えられるため、長期優良住宅を購入したい方の強い味方となります。
また、フラット35と併用して利用できる点もメリットです。
フラット50は物件価格の9割までしか借りられないため、残りの1割をフラット35やフラット20でカバーすることができます。
これにより、頭金を少なくしても物件の全額をローンで賄うことが可能となります。
さらに、不動産売却時に残債を買主に引き継げる点もフラット50のメリットです。
フラット50の返済中に、万が一の事情で住宅を売却する必要が生じた場合でも、スムーズに売却をおこなえます。

フラット50のデメリット

フラット50のデメリットは、金利がフラット35よりも高い点です。
フラット50の金利は、フラット35に比べて0.3~0.8%ほど高く設定されています。
そのため、総返済額が増える点もフラット50のデメリットです。
返済期間が長いため金利の影響を受ける期間も長くなり、月々の返済額は抑えられても、結果的に総返済額がかさんでしまいます。
繰越返済をおこなわないと、定年後も返済し続けなければならないでしょう。
フラット50を30代や40代で利用すると、返済が70代や80代まで続くことになります。
退職後の収入が減少した時期にも返済が続くため、老後の生活資金の計画が難しくなる可能性があります。

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まとめ

フラット50は、長期優良住宅の取得を目的とした、最長50年間にわたって返済することができる住宅ローンです。
フラット35とは、主に申込時年齢・借入期間や対象住宅、借入額の上限や金利に違いがあります。
フラット50を利用するメリットは、毎月の返済額を抑えられる点やフラット35と併用できる点です。


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