土地の地盤調査とは?種類と費用について解説

土地を購入する際、地盤調査は安全性の確認に欠かせないプロセスです。
調査にはスクリューウエイト貫入試験やボーリング調査など、いくつかの種類があります。
また、調査方法によって費用が異なるため、事前に内容を把握することが重要です。
この記事では、地盤調査の概要、種類、費用について解説します。
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土地の地盤調査とは
土地の購入を検討する際、地盤調査は見逃せない重要な要素です。
地盤の状態は建物の安全性や耐久性に直結し、将来的なリスクを左右します。
ここでは、地盤調査の重要性とその法的義務について解説します。
安全性
地盤調査は、建物を支える地盤の強度や特性を把握するための工程です。
地盤が軟弱であると、建物の不同沈下や傾斜、最悪の場合は倒壊のリスクが高まります。
たとえば、2011年の東日本大震災では、液状化現象により、多くの建物が被害を受けました。
このような被害を未然に防ぐためにも、地盤調査は欠かせません。
地盤調査には、主に以下の方法があります。
スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)
住宅建築前の地盤調査で一般的に採用される方法で、スクリュー状の鉄棒を地面に差し込み、地盤の強度を確認します。
ボーリング調査(標準貫入試験)
アパートやマンションなどの大規模建物の地盤調査に用いられ、地面に穴を掘り、地盤の強度や地質構造、地下水位の高さなどを計測します。
表面波探査法
地面に微量の振動を人工的に発生させて、地面の中で揺れが伝わる速さを検出することで、地盤の硬軟や強度を判断します。
これらの調査により、地盤の特性を正確に把握し、適切な基礎設計や地盤改良工事をおこなうことで、建物の安全性を確保できるでしょう。
義務
日本の建築基準法施行令第38条および第93条では、建築物の基礎は地盤の沈下や変形に対して構造耐力上安全でなければならないと定められています。
また、地盤の許容応力度は地盤調査の結果に基づいて定める必要があります。
さらに、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)では、新築住宅供給事業者に対し、10年間の住宅瑕疵担保責任が義務付けられています。
この責任を履行するためには、住宅瑕疵担保責任保険への加入が必要であり、その際に地盤調査報告書の提出が求められます。
これらの法律により、住宅を建築する際には地盤調査が事実上の義務となっています。
適切な地盤調査をおこなわない場合、建築確認申請が通らない可能性や、瑕疵担保責任保険に加入できないリスクがあります。
そのため、土地購入時には地盤調査の実施を前提に計画を進めることが重要です。
地盤調査は、建物の安全性を確保し、法的要件を満たすために不可欠な工程です。
土地の購入を検討する際には、地盤調査の重要性を理解し、適切な対応を取ることが求められます。
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土地の地盤調査の種類
土地の購入を検討する際、地盤の状態を正確に把握することは、建物の安全性や耐久性を確保するために非常に重要です。
地盤調査には、さまざまな方法があり、それぞれ特徴や適用範囲が異なります。
ここでは、代表的な地盤調査の種類についてご紹介します。
スクリューウエイト貫入試験
スクリューウエイト貫入試験は、住宅建築前の地盤調査で一般的に採用される方法です。
この試験では、先端がスクリュー状になった鉄の棒(ロッド)を地面に差し込み、荷重をかけて貫入させ、その抵抗値から地盤の硬軟を判断します。
具体的には、ロッドにおもりを載せ、その重さや回転させた回数によって地盤の強度を調べるという方法です。
この方法は、費用が比較的安価で、短時間で結果が得られるため、戸建住宅など小規模建築物の地盤調査に広く利用されています。
しかし、調査範囲が点的であるため、地盤の不均質性を見逃す可能性がある点には注意が必要です。
また、砂礫層など礫やガラが混在している地盤では、深部まで計測が難しい場合があるかもしれません。
ボーリング調査
ボーリング調査は、地面に円筒状の穴を掘り、地盤の強度や地質構造、地下水位の高さなどを計測する方法です。
この調査では、地中から土のサンプルを採取し、土質や含水比、密度などを分析します。
そのため、地盤の詳細な情報を得ることができ、大規模建築物や重要な構造物の設計において欠かせない調査方法とされています。
ボーリング調査は、地盤の深部まで調査が可能であるため、地層の連続性や地下水の状況を把握するのに適しているといえるでしょう。
しかし、費用が高く、時間もかかるため、小規模な建築物の調査にはあまり用いられません。
また、調査地点が限られるため、広範囲の地盤特性を把握するには複数の調査が必要となります。
表面波探査法
表面波探査法は、地面に微量の振動を人工的に発生させ、その振動が地中でどのように伝わるかを測定することで、地盤の硬軟や強度を判断する方法です。
具体的には、地震や地盤面を打撃することによって発生する表面波は、硬い土質ほど速く伝わり、逆に軟らかい土質では遅く伝わるという性質があります。
この性質を応用して、地盤の速度構造を測定し、支持力を求めます。
この方法は、狭小な場所や車両進入が困難な場所でも適用可能であり、途中に硬い層があってもその下部の地盤の把握が可能です。
また、住宅地盤調査、道路面下の空洞、緩み調査、岩盤線の調査が可能であり、建築基準法の方法に従い地盤の地耐力が算定できます。
表面波探査法は、面で受けるベタ基礎の設計に向いているため、無駄な地盤改良工事判定が少なく、トータルコストの削減につながるとされています。
しかし、調査コストはスクリューウエイト貫入試験よりも高くなる傾向があります。
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土地の地盤調査にかかる費用
土地の購入を検討する際、地盤調査は建物の安全性を確保するために欠かせない工程です。
しかし、調査方法によって費用や得られる情報が異なるため、適切な選択が求められます。
ここでは、代表的な地盤調査方法とその費用についてご紹介します。
スクリューウエイト貫入試験
スクリューウエイト貫入試験の費用は、1件あたり約5万~10万円程度となります。
比較的小規模な木造住宅用地で利用されることが多く、低コストかつ短期間で実施できるのが特徴です。
この試験は、1日程度で完了するため、費用と時間の負担が少ない点がメリットです。
ボーリング調査
ボーリング調査は、地盤の詳細な情報を得るため、費用が比較的高めです。
1件あたりの費用は、20万~30万円程度が相場となっており、調査に要する期間は2~3日です。
コストはかかりますが、精度が高いことで、地下室や大型建築物の計画には適しているといえるでしょう。
表面波探査法
表面波探査法の費用は、約5万~8万円程度で、非破壊的な調査方法として、いろいろな用途で利用できます。
また、調査期間は1日程度と短いため、費用対効果が高いのがメリットです。
ただし、詳細な情報を得るには、追加の調査が必要となる場合があるかもしれません。
地盤調査にかかる費用は、建築計画の規模や目的に応じて異なります。
それぞれの特徴を把握し、計画に最適な調査方法を選ぶことが大切です。
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まとめ
土地の地盤調査は、安全性を確認するために重要なプロセスです。
スクリューウエイト貫入試験やボーリング調査など、調査には複数の方法があります。
調査費用は方法によって異なるため、事前に確認して計画を立てることが大切です。
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