用途変更の確認申請は必要?適用条件や手続きのポイントも解説

不動産を購入または売却する際、建物の用途変更が必要になる場合があります。
用途を変更する際は、安全基準や関連法規に適合するよう適切な手続きをおこなうことが求められます。
この記事では、用途変更の基本的な仕組みや確認申請が必要となるケース、具体的な手続きの流れを解説します。
スムーズな手続きをおこなうためにも、必要なポイントを一つひとつ押さえていきましょう。
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用途変更とは?
建物の用途変更とは、既存の建物を別の目的で使用するために用途を変えることです。
たとえば、住宅を事務所や店舗に改装したり、倉庫を飲食店に転用したりする場合などが該当します。
このような変更をおこなう際には、建築基準法などの関連法令に基づく手続きが必要です。
とくに、建築基準法第87条では、特定用途や特殊建築物に当たる場合は延べ面積にかかわらず確認申請が義務付けられているため注意が求められます。
異なる用途への変更とは
異なる用途への変更は、現在の使用目的とは異なる分野へ建物を転用することです。
たとえば、住宅から工場へ、大規模倉庫から飲食店へ変更するようなケースが該当します。
用途変更の際に構造や設備の改修が必要になる場合もあるため、事前の調査と専門家への相談が重要です。
変更後の営業形態に応じた設備要件を把握し、利用者や周辺環境に配慮した計画を立てることが望まれます。
安全の基準と用途変更
用途変更をおこなう際には、建物の安全性を確保する必要があります。
たとえば、建物の用途によって構造耐力や防火性能、避難設備などの基準が変わるため、それに応じた改修や設備の追加をおこなわなければなりません。
保育所へ用途を変更する場合は子どもの安全に配慮した設備が必要ですし、人数や荷重が増加する場合は構造の補強工事も必要となることがあります。
防災や衛生面に関する条例を確認し、医療施設や教育施設などへの変更では多岐にわたる基準を満たす必要があります。
とくに、避難経路の配置は人の流れを想定しながら設計する必要があり、避難階段や誘導灯などの確保も重要となります。
違反建築物にならないための注意点
用途変更を正しくおこなわないと、違反建築物とみなされるおそれがあります。
違反と認定されると、行政から是正勧告や使用停止命令が下されることもあるため注意が必要です。
延べ面積が200㎡を超える建物や、特殊建築物への変更をおこなう場合は、確認申請を怠らないようにしましょう。
用途変更に伴う法令や条例の変更点を把握し、適切に対応することが求められます。
消防機関との事前協議も検討し、安全設備や防災措置の不備を回避しましょう。
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用途変更をおこなうために確認申請が必要なケースは?
建物の用途変更に際しては、確認申請が必要なケースと不要なケースがあります。
2019年の建築基準法改正により、用途変更時に確認申請が必要となる建物の規模が「100㎡超」から「200㎡超」に緩和されました。
つまり、延べ面積が200㎡以下なら用途変更時の確認申請は原則不要ですが、特殊建築物に該当する形態では申請が必要となる場合があります。
たとえば、飲食店への用途変更でも、座席数や調理設備の規模によっては別途申請が必要なケースがあるため、事前に行政機関へ相談すると安心です。
とくに、医療施設や幼稚園などの特殊建築物に該当するケースでは、早い段階から必要資料をそろえることがスムーズな申請の鍵となります。
200㎡を超える場合の申請義務
延べ面積が200㎡を超える場合は、原則として用途変更の確認申請が義務付けられます。
たとえば150㎡の住宅を飲食店に変える場合は不要に思えるかもしれませんが、規模や形態によっては特殊建築物として申請が必要となるケースもあります。
確認申請が不要でも、建築基準法や消防法などへの適合が引き続き求められる点に注意しましょう。
建物の用途や構造が適正かどうかを判断するのは難しいため、専門家の診断を受けることが望ましいです。
類似用途への変更と確認申請の要否
建築基準法施行令第137条の18によると、同じ用途区分内での変更は「類似用途」とされることがあります。
たとえば、物販店から別の種類の物販店へ変更する場合などです。
このような類似用途間の変更は、確認申請が不要となる場合もある一方、自治体によって判断が異なります。
類似用途でも安全性や衛生面での基準を満たす必要があるため、疑問点があれば専門家に相談してください。
たとえば、小規模な事務所からデザイン事務所へ転用する場合も、作業スペースの配置や電気容量の見直しが必要となるケースがあります。
建築基準法改正による影響
2019年の改正で小規模建築物の用途変更が容易になりましたが、たとえ延べ面積が200㎡以下であっても特殊建築物としての要件を満たす場合は申請や許可が必要です。
この改正は空き家や既存建築物の有効活用を促進する目的でおこなわれましたが、確認申請が不要の場合でも法令への適合は大切です。
用途変更に伴い、防火設備や避難経路を適切に整備し、安全性を維持しましょう。
消防法や食品衛生法など、業種によっては関連法規が増える可能性があるため、総合的な対応が求められます。
ただし、確認申請が不要な規模でも、建物の老朽化状態や耐震性能によっては専門家の診断を受けてから工事内容を確定させることが大切です。
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用途変更の確認申請の流れ
建物の用途を変更する際は、事前準備や確認申請手続き、完了検査などの流れを把握しておくとスムーズに進められます。
工事計画や書類提出の時期を整理しておきましょう。
とくに、必要書類の不備や提出期限の遅れは手続きの長期化につながるため注意が必要です。
申請の段階では、建物の使用目的を詳細に記載し、変更後に予想される利用人数や設備内容を正確に示すことが円滑な審査につながります。
資料の確認と準備
最初に、建物の確認済証や検査済証、消防適合証明書などを確認し、手元にそろえておきます。
建物の設計図書や竣工図があれば、構造や仕様を把握する際に役立ちます。
資料が不足している場合は現地調査をおこない、現況図を作成する必要があります。
あわせて、関係法令を精査し、必要な手続きや基準を把握しておくことが重要です。
専門家に相談すれば、後々の手戻りを防げます。
とくに、木造建築などでは、耐久性の観点から改修工事の方法を検討し、腐食やシロアリ被害の有無をしっかり調査することも大切です。
確認申請書と図面の作成
次に、確認申請書と図面を作成します。
用途変更後の建物が法令に適合するよう、改修や設備変更を含めた内容を正確に盛り込みましょう。
これらの書類作成は専門知識を要するため、建築士事務所などに依頼するのが一般的です。
必要書類を所管の行政機関か指定確認検査機関に提出し、審査に問題がなければ確認済証が交付されます。
図面作成時には防火区画や排煙設備の位置を正確に示し、消防法上の要件を満たしているかどうかも同時にチェックしましょう。
完了検査と最終手続き
工事完了後は、完了検査を受けます。
計画どおりに工事がおこなわれているかを確認し、合格すると検査済証が交付されて用途変更が正式に完了します。
また、飲食店や宿泊施設などに変更する場合は消防署や保健所の許可も必要です。
これらの検査や許可手続きを終えてから建物を使用開始することで、安全かつ適法に運用できます。
検査済証の交付後も、使用開始前に消防設備点検などを実施して万全を期し、トラブルの発生を最小限に抑える工夫が重要です。
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まとめ
用途変更は建物の活用方法を広げ、不動産の価値を高める有効な手段です。
ただし、一定規模以上の建物では確認申請が求められ、書類作成や完了検査などを正確に進める必要があります。
変更後の用途によっては、消防法や食品衛生法などの適合も求められるため、専門家と連携することが大切です。
手続きにかかる時間や費用も踏まえたうえで、用途変更を検討している方は必要資料を整理し、法的に適切なプロセスを経て安全な不動産活用を目指しましょう。
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