購入向けコラム

建売住宅はなぜ安い?購入前に知りたい3つの理由を解説

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マイホームの購入にあたって物件探しをする際は、新築でかつ販売価格の安い建売住宅が魅力的ですよね。
しかし「なぜ販売価格がほかの新築住宅よりも安いのだろう」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、建売住宅が安い3つの理由として人件費・スケールメリット・その他の要因について解説します。
建売住宅の購入を迷っている方は、ぜひ参考にご覧ください。

建売住宅が安い理由①人件費について

建売住宅が安い理由①人件費について

建売住宅は合理的な設計プランによって人件費を抑えているため、安い販売価格になっています。
では、なぜ人件費を抑えることができるのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。
人件費を抑えられる理由は、以下の3つです。

①設計プランが規定化されているから

建売住宅は注文住宅と違って、あらかじめ設計プランが規定化されています。
そのため、効率よく建設作業を進めることができ、人件費の削減に成功しているのです。
たとえば、注文住宅では依頼主と施工会社が何度も打ち合わせを重ねて間取りや内装などの設計プランを練るため、打ち合わせ時間の人件費が発生します。
その点、初めから設計プランが規定化されている建売住宅は、買主との打ち合わせがほとんど不要なため、人件費がかかりません。

②現場監督や施工監理の人件費を削減しているから

通常、建物を建築する際は、現場監督や施工監理の人件費がかかります。
建築における安全性を確保するために「不具合が発生していないか」や「計画通りに進んでいるか」などの確認作業が何度も必要となるからです。
その点、建売住宅の場合は、シンプルな設計や施工方法となっているため、時間のかかる確認作業を減らすことができます。
その結果、現場監督員や施工監理員の人件費を削減することに成功しています。

③工期を短縮化しているから

注文住宅の工期が半年~1年かかるのに対し、建売住宅の工期は2か月~3か月と短いです。
そのため、工事期間中にかかる人件費を大幅に削減できます。
建売住宅の工期が短い理由は、シンプルな設計で建築作業を効率化しているからです。
反対に注文住宅の場合は、こだわりの建築デザインや内装にしているケースが多いため、工期が長くなる傾向にあります。

建売住宅が安い理由②スケールメリットについて

建売住宅が安い理由②スケールメリットについて

建売住宅は、分譲地に複数の棟を建設することも多く、スケールメリットがあるため安い価格で提供することが可能になっています。
スケールメリットとは、大きな規模で経営することで小規模な経営よりも利益を出すことができるメリットのことを指します。
建売住宅における具体的なスケールメリットは、以下の2点です。

①土地の仕入れ額が安い

分譲地の建売住宅は、広大な土地を安い価格で仕入れて分割し、複数の棟を建設します。
つまり、土地を安い価格で仕入れることで販売価格も安くすることができるのです。
広大な土地を安い価格で仕入れることができるのは、買い手が不動産会社などの法人に限られるからです。
とくに郊外の土地は活用がむずかしく、持て余している所有者も多いため、安い価格で売りに出されます。
また、田畑や山林などを安い価格で買い取って、造成・開発し、分譲の建売住宅を建設する会社もあります。
さらに、土地と建物をセットで販売することで販売にかかる諸費用の削減をしている点も、販売価格が安い理由です。

②建築材料の大量生産・仕入れでコストを削減

建売住宅を販売している会社によっては、建築資材や設備を自社で大量生産しているところもあります。
自社で建築材料を大量生産することで1軒あたりにかかる建築コストを削減することができ、販売価格の安さにつながるのです。
また、建築材料を自社で生産しない場合でも、資材メーカーから大量に仕入れることでコスト削減に成功している企業もあります。
直接的に資材メーカーから大量に仕入れることで、仲介業者に支払う手数料をカットでき、仕入れ値も交渉できるからです。
一方で、注文住宅の場合は依頼主の要望に合わせて建築材料を仕入れたり、設備を揃えたりする必要があります。
そのため、建売住宅と比較するとスケールメリットを得られず、販売価格が高くなる傾向にあります。
建売住宅によっても、小規模の販売会社と大手の販売会社では価格に差が生じるでしょう。
つまり、スケールメリットによって安い価格で建売住宅を購入したい場合は、分譲地の建売住宅や大手の販売会社が提供している建売住宅が狙い目です。

建売住宅が安い理由③その他の理由について

建売住宅が安い理由③その他の理由について

建売住宅の販売価格が安い理由は、その他にもさまざまあります。
たとえば、以下の理由が挙げられます。

①住宅展示場やモデルハウスが不要

建売住宅は、基本的に完成後に販売することが多いため、注文住宅と違って住宅展示場やモデルハウスの設置が不要です。
そのため、販売にかかるコストを削減することができ、安い販売価格でも利益を出せる仕組みになっています。
また、購入希望者は完成後の住宅を見学することができるため、安心して購入することができます。
一方で、注文住宅の場合は、完成するまで実際にどんな仕上がりになるのかわかりません。
その点、建売住宅は、販売価格が安いだけでなく、実物を見て生活したときのイメージや家具の配置を考えることができる点もメリットでしょう。

②オプション費用が含まれていない

建売住宅は、オプションで設備や工事を依頼することで追加の費用が別途かかる点も販売価格が安い理由の1つです。
オプションで追加できる設備や費用の目安は、以下のとおりです。

●網戸:約5,000円~1万円/1枚
●エアコン:約2万円~3万円/1台
●シャッター:約5万円~10万円/1か所
●カーテンレール:約5万円~10万円
●テレビアンテナ:約5万円~10万円


その他、照明やカーテンをオプションとして付けることもできます。
建売住宅を購入する際は、販売価格に含まれる設備とオプションで別途費用がかかる設備を確認して見積もりを取りましょう。

③完成から月日が経っている

建売住宅は、完成から月日が経っても売れない場合に、販売会社が積極的に値引きをする点も安い理由の1つです。
売れない期間が長期化すると、それだけ管理の手間や維持費がかかるため、販売会社としては利益率が下がってもなるべく早く売りたいからです。
とくに1年以上経っても売れない場合は、新築ではなくなり未入居物件扱いになります。
未入居物件はさらに安い価格で販売されるため、お得にマイホームを購入したい場合は狙い目です。
ただし、築1年以上の未入居物件は中古物件扱いとなるため、新築物件が対象の減税措置や保証などが受けられない点がデメリットになります。

④間取りや内装・外装がシンプル

建売住宅は、間取りや内装・外装がシンプルな点も販売価格が安い理由になります。
とはいえ、ほかの住宅に比べて性能が劣るわけではなく、多くの方が暮らしやすいと感じるように設計されています。
とくに、間取りや設備にこだわりのない方は、シンプルな造りでも満足できるでしょう。
間取りや設備にこだわりたい方は、販売会社に相談してオプションを追加したり、安い価格で購入後にリノベーションしたりなどの方法もあります。

まとめ

建売住宅は、設計プランを規格化し、効率的に建設作業を進めて人件費を削減しているため、安い価格で販売されています。
また、スケールメリットにより土地や建築材料を安い価格で仕入れることができる点も安い理由の1つです。
その他にも、販売にかかるコストを抑え、オプション費用が含まれていない点も理由として挙げられます。
お気軽にご相談ください!


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